生活保護のひとり親、「母子加算」復活望む
ひとり親の生活保護世帯に上乗せ給付されていた「母子加算」が今年4月に全廃されたのを受け、母親らの間で復活を望む声が上がっている。貧困の連鎖を断ち切るため、ひとり親家庭への支援のあり方が、改めて問われている。
中学1年生の長男と2歳の次男を育てる京都市の無職女性(32)は4月、通帳に記載された生活保護費を見てため息をついた。3年前は月2万円ほどあった母子加算がついになくなったからだ。生活保護や児童扶養手当などの給付が頼り。現在、家賃6万円を含め、月22万円で暮らす。
発達障害の長男を抱え、長時間働くことは難しい。毎日のように就職活動をした月もあったが、子どもを一人で育てていることに難色を示され、すべて不採用だった。女性は、「生活が一層苦しくなったことを知って、子どもは『どこに行きたい』『何が欲しい』などと求めなくなった。我慢している姿がふびんでならない」と母子加算の復活を望む。
母子加算は、生活保護を受ける母子や父子などのひとり親家庭へ給付されていた。住居地などによって金額が違い、1世帯あたり月約2万円。しかし、16歳以上の子を持つ家庭は07年度に廃止。15歳以下の子は07年度から減額され、今年4月には全廃になった。
厚生労働省によると、廃止の根拠は、母子加算を足した生活扶助の基準額が、就労している一般の母子家庭の消費支出を上回っていたこと。一律の給付ではなく、自立に向けた給付へ転換したという。07年度からは、ひとり親世帯就労促進費をスタート。就労への意欲が高まるよう、収入が月3万円以上で1万円支給され、収入3万未満か、職業訓練中なら5000円が支給される。
だが、生活保護を受けるひとり親の約10万世帯のうち半数以上は未就労のため、就労促進費の対象にならない。
家庭学習費を支給 同省は7月から新たに、生活保護世帯を対象に、子どもの家庭学習費などとして毎月、小学生は2560円、中学生は4330円、高校生は5010円の支給を始める。「これらの給付などで一定程度の生活ができるはず」と同省は言う。しかしNPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」理事の赤石千衣子さんは、「子どもの障害や不登校、自身の病気などを抱えて働けないひとり親も多く、自立は簡単ではない。このままでは、子どもが学力などの面で不利な立場に追い込まれ、貧困が再生産されてしまう」と訴える。
不況などで、生活保護を受ける母子家庭は年々増えている。08年度は9万3409世帯で、04年度に比べ5931世帯も増えた。母子家庭全体の13%にあたる。厚労省の調べでは、06年の母子世帯の平均所得は211万円。全世帯の563万円の半額以下だ。
「福祉と正義」などの著書がある立命館大教授の後藤玲子さんは、「母子加算の議論をきっかけに、生活保護を受けていない低所得のひとり親世帯を含めた支援のあり方を総合的に見直すべきだ。将来を見通しながら、健康で文化的な生活を送るために、必要な時にいつでも保護を受けられる仕組みや、様々な困難に応じた多様な金銭的給付が必要だ」と指摘する。
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民主、共産、社民、国民新の野党4党は今月、母子加算を復活させる生活保護法改正案を参院に提出。25日に参院厚生労働委員会で可決したが、政府は反対を表明している。
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/mixnews/20090626ok02.htm
確か生活保護は医療費も無料だったよな。
それで22万も手取りで貰って足りない?
>中学1年生の長男と2歳の次男を育てる京都市の無職女性(32)は4月、通帳に記載された生活保護費を見てため息をついた。3年前は月2万円ほどあった母子加算
3年前から母子加算。なのに2歳の子供がいる?
なんかもう、どの辺りに同情すればいいのか分からないのだが。