<国連総長>日本の温室効果ガス削減目標に失望
【ニューヨーク小倉孝保】30日からの訪日を前に国連の潘基文(バンギムン)事務総長は25日午前(日本時間26日未明)、国連本部で日本人記者団と会見した。事務総長は、先に麻生太郎首相が発表した日本の温室効果ガス削減中期目標について「もっと野心的なものを期待していた」と失望感を表明し、より積極的な貢献を日本政府に求めていく考えを明らかにした。
事務総長は麻生首相、中曽根弘文外相との会談で、気候変動、朝鮮半島情勢、核の軍縮・不拡散などについて意見交換する考えを示した。そのうえで、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が「先進国は温室効果ガスを20年までに、90年のレベルから25~40%削減する必要がある」としていることを説明し、「日本政府は90年のレベルから8%削減すると発表したが、もっと野心的なものを期待していた。この問題について協議したい」と述べた。
また、北朝鮮の核開発問題について、事務総長は加盟国に安保理の追加制裁決議順守を求めながら、「決議は制裁を規定する一方、対話の窓口も開けている。北朝鮮は緊張を高めることなく対話に復帰すべきだ」と述べた。
一方、訪日後に計画しているミャンマー訪問について、事務総長は「どのタイミングで訪問すべきかまだ考えている」と最終決断していないことを明らかにした。訪問が実現した場合は、「人道問題と政治の民主化が話し合いの焦点になる」とし、野党指導者のアウンサンスーチーさんら政治犯の釈放に向け突っ込んだ議論をすることに意欲を示した。
世界一無能と称され、現実に何もしない国連事務総長にとやかく言われる筋合いは無い。