生き残りに汲々としているのにストとは
現代(ヒョンデ)自動車労組はいまが太平の御世と思っているようだ。先月には会社側が提示した「苦痛分担案」について、「組合員に対する真っ向からの挑戦だ」と反対すると、きのうは代議員大会を開きストを決議した。労組が出したストの理由は、「会社が労使合意事項である昼間2交代制の試験施行に中途半端な態度を見せた」というものだった。会社側は「販売不振でむしろ仕事量を減らさねばならない局面であり、経営が好転するまでは昼間1交代だけで生産ラインを稼働しよう」と訴えたが、馬の耳に念仏だった。経営が苦しいのは会社の事情で、賃金は絶対に減らせないと会社側を追い詰めている。
こうした極端な行動には、同僚まで背を向けている。蔚山(ウルサン)工場の労働者はきのう食堂の掲示板に壁新聞を張り、「今回のスト案件上程は執行部の独断による一方的な行為だ」と非難した。会社のオンライン掲示板にも、「ストをしようとして破産する」など自制を訴える書き込みがあふれている。
最悪の経済危機の中、国際的な自動車メーカーはどこも生き残りのための構造調整に入っている。米ビッグスリーが破産状態に陥り金融支援を求める境遇に転落し、世界1位の日本のトヨタも58年ぶりに赤字を出し減産に入った。生産性はトヨタの半分にも満たないのに賃金福祉水準は世界最高の韓国の自動車業界としては、労使が力を合わせて身を削る自助努力を傾けても生き残りの保障を受けるのは難しい状況だ。こうした局面で経済危機に目をつぶり内部世論すら無視しながらストを行うという現代自動車労組はいったい誰のための団体なのか疑わしい。
労働運動も目的を果たすためなら市場をしっかりと読まねばならない。いま国民の大多数が切実に望んでいるのは雇用安定と産業平和だ。現代自動車労組は内部の同意すらまともに得られない無謀なスト推進をやめ、雇用を守るための解決策を会社側と頭をつき合わせて考えるべきだ。それが本当に組合員らのための道であり、国民の支持を得る方法でもある。すべてがベルトをきつく締めているのに1人だけ鉢巻を締めるのなら結局返ってくるものは破局だけだ。
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=110284&servcode=100§code=110
>経営が苦しいのは会社の事情で、賃金は絶対に減らせない
凄い理屈だ