辛坊 治郎の講演会に行きました。
TVで見たままの人だった(w
たかじんで田嶋さんが出ると顔が映った瞬間にクレームがかかってくるとか、面白い裏話満載で大変楽しいものだったのですが、色々あった話の中に衝撃的な内容があったので、ちょっとメモ。
辛坊さん曰く、
「格差は小泉政権(2000年代)で起こったのではない」
ええ!?じゃあマスコミが言ってる「小泉改革が格差を広げた」って主張は嘘!??
これはぜひ裏を取らねば、と言う事で調べてみました。
辛坊さんが論拠として上げたのが、
OECD(経済協力開発機構)の発表した、ジニ係数。
ジニ係数とは
「ジニ係数(Gini coefficient または Gini's coefficient)とは、主に社会における所得分配の不平等さを測る指標。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%8B%E4%BF%82%E6%95%B0#.E6.97.A5.E6.9C.AC.E3.81.AE.E6.89.80.E5.BE.97.E3.82.B8.E3.83.8B.E4.BF.82.E6.95.B0.E3.81.AE.E6.8E.A8.E7.A7.BB
OECDによると、日本の所得格差は小泉政権前、バブル崩壊の始まった1990年代にもっとも拡大し、小泉政権の始まった2000年台はむしろ縮小傾向にあるのだと言う。
じゃあやっぱり小泉改革は格差拡大に関係なかった?
ということで、それについての情報が何かないか探してみました。
色々探してみた結果、丁寧に書かれていたのが以下のブログのエントリー
格差は拡大している?縮小している!?
まとめると、2008年10月21日にOECDから出された
Grouwing Unequal?(格差は拡大しているか?)というレポートによると、日本の所得格差は1980年~2000年まで拡大し続け、それ以降は縮小している、と書かれている。
低所得層にとっては1990年代後半が最も困難な時期であったが、高所得層は2000年代前半に所得の減少を経験した。
辛坊さんによると、以下のような事らしい。
1990年代に何が起こったかと言うと、バブル崩壊。
この時に業績の悪い会社はどんどんと給料を減らし、それでも業績が良かった会社は給料が増えていった。
結果、格差拡大。
このとき政治は景気対策をしないで、選挙改革(政治改革)一辺倒だった。
マスコミ(田原 総一朗)も政治家に(宮沢さん?)に「選挙改革をやるのかやらないのか」と煽っていた。
もしこのとき景気対策をしていれば、失った10年は無かっただろう。
(マニフェスト云々といわれたのがこの時期。選挙改革のおかけで改善された事は何も無いし、むしろ世間の風向きで当落が決まるようになり、10年先といった長期的な視点の政策が出来なくなった)
では、なぜ今格差が問題になっているのか。
2000年代からは、(格差が広がったのではなく)全体(高所得者含む)の所得が下がったために、貧しい人はさらに貧しくなり、食べる事が出来ないという状況に陥り、低所得者層の困窮が目立つようになった。
このレポートによれば格差の原因の一つとして高齢化社会も上げられている。
うーん、高齢者の優遇しすぎも原因か。
高所得者の所得が下がった例として、TV局員の収入や、銀行員の収入を上げていた。
かつてTV局の新入社員は、ちょっと残業すれば年収1000万。今ではその1/2.
かつては給料袋が立つといわれた銀行員は、毎年20%ずつ年収が下がっている。
また、マスコミはこれまで「小泉改革が格差を作った」としてきた根拠が崩れるため、このレポートの存在を無視している。
他にも面白い話は沢山あったのですが、エントリーの論点がずれそうなので、それ以外の話も知りたい方は
自分用のメモ
・13.4年前までは、日本の実権を握っている人物=情報を握っている人物がはっきりしていた(裏でも表でも)が、今は居ない。あえて言えば、森元総理。握っているといってもこの程度だから、大した事無い。本人は日本を動かしているつもりのようだが‥‥(3回奢ってくれたから良い人だとフォロー)
・現在は全ての情報が表に出ている。ただ、それにたどり着けるかどうかは‥‥。
・マスコミは自分の信じたい事、信じさせたい事しか報道していないかも知れない、という事を知っておくべし。
・震災の時、安倍元総理は歴代最速最高の対応で、もし報道されていれば3%程度は支持率も上がったろうが、マスコミは支持率UPさせないために報道しなかった。唯一まともに報道したのが、憲法改正で応援していた産経だけ。朝日新聞にいたっては、震災被害報道だけで安倍元総理の対応については一行も書かなかった。
・今ほど世論が力を持った時代はない。
かつてはクレームがあっても電話代をかけて電話をかけるか、手紙を書くかしかしかなく、大抵は実行する前に「ま、いーか」となる。
それでも送ってくる人については、これは世論ではなく変わった一部の人の考えとする事が出来た。
しかし、現在はメールでただ同然に意見を送りつけられる。
そのため何かあれば、一度に1万通とか来てしまう。
1万もあればこれはもう一部の変わった人の意見とはいえない。
世論調査しなくては分からなかった世論が、インターネットを通じて簡単に分かるようになった。
ネットに溢れる意見が本当に世論かどうかは別として、世論と思われるものがすぐに分かる。世論が望めばマスコミもその要求に応えた報道をする。(例として、船場吉兆の女将さんの記者会見を見た視聴者から「面白いからもっと放送しろ」と沢山メールがこれば、何度も繰り返し報道する。食品偽装した会社の社長がボロボロになって謝っている姿が報道されれば、「かわいそうだからもう許してやれ」となり、放送を控える等)
・政治改革(選挙改革)の件もあり、今は世間の空気が一番の力を持っている。
世論が馬鹿な選択をすれば、政治も馬鹿な方向に行く。
日本が良くなるか悪くなるかは自分たち次第。
マスコミは嘘は言っていないかもしれないが、自分たちにとって都合の良いようにしか報道しない。
国民が賢くならなければ駄目。
・人は都合のいいようにしか耳に入らない。
これは、話すより聞く事の方が難しいから。
話す方は自分の頭の中にあるものを口に出すだけだから訓練すれば誰でも出来るが、聞く方は、自分の知らない情報が記号等(言葉や図解など)で入ってくるのを考えて理解しなければいけないので、ずっとハードルが高い。
だから人に分からせよう、言う事を聞かせようとして、怒っても無駄。
人に言う事を聞かせるには、戦略と戦術が必要。