<全国町村長大会>定額給付金巡り不満噴出 首相にやじも
東京都内で26日開かれた全国町村長大会で、定額給付金などを巡る不満が噴出した。麻生太郎首相のあいさつにやじが飛ぶ一方で、民主党の鳩山由紀夫幹事長の政府批判は大きな拍手を浴びた。【佐藤丈一、木下訓明】
麻生首相は「定額給付金の実施にはすべての市町村の協力が不可欠。皆様方の意見を聞きながら早急に制度設計を進めていく」とあいさつ文を読み上げ、町村長の協力を求めた。しかし、「丸投げやめろ」とやじが飛ぶなど、会場は冷ややかな空気に包まれた。
首相到着前には、政府に対する不満が噴出していた。岩手県一戸町の稲葉暉町長は「国政は機能不全に陥っていると言わざるを得ない。定額給付金の給付方法をわれわれ町村に丸投げする迷走ぶり」と指摘。富山県朝日町の魚津龍一町長は「後期高齢者医療制度は議論を重ねて施行された。しかし『長寿医療制度を検討する会』が作られたと聞いている。なぜこれだけぶれているのか。これだけぶれる国の制度はない」と批判した。
一方、首相の退席後にあいさつした鳩山氏は、定額給付金の担当閣僚である弟の鳩山邦夫総務相を引き合いに出して「兄弟がますます仲良くなった。釈然としない思いを共有しているからだ」などと給付金批判を連発し、会場をわかせた。
首相が所得制限の設定について「地方分権」を理由に市区町村に委ねたことを「本当の意味で地方分権を分かっていない」と指摘。「責任を市町村に負わせるのはひきょうだ」と批判すると「その通り」と声が飛んだ。
さらに、首相が「頻繁(ひんぱん)」を「はんざつ」と読み違えたことに引っかけて、鳩山氏が「市町村の事務量がひんぱんじゃなく、煩雑(はんざつ)になる」と述べると、町村長らは爆笑。給付金に充てる2兆円を全市町村に10億円ずつ支給するよう最後に提案し、大きな拍手を浴びた。
地方分権を自分たちの都合のいいものに、勝手に解釈しているような気がするが。
だいたい、裏金や不適切な会計で問題になっている市町村に10億円も与えて、それで本当に市民に還元されるのか?