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<党首会談>自民内で首相批判の声噴出…国会対策でも迷走
自民党内で18日、麻生太郎首相が民主党の小沢一郎代表と党首会談を行ったことに、「民主党の審議拒否のアリバイ工作に使われた」などと首相を批判する声が噴出した。定額給付金問題で混乱を露呈した麻生政権が、国会対策でも迷走を始めた格好だ。一方、会談で小沢氏ペースを印象付けた同氏も、衆院解散に追い込めない状況を打開するまでは至っておらず、依然足元に不安を抱えたままだ。【西田進一郎、近藤大介、渡辺創】
「マスコミは6対4で民主党寄りだ。会談の経緯をちゃんと国民に説明してほしい」。18日午前の自民党役員連絡会。菅義偉選対副委員長は会談に応じた党執行部の判断に疑問を投げ掛けた。
大島理森国対委員長は同日の代議士会で、会談の経緯を説明したが、若手議員からは「やらなきゃいいじゃないか」「何で会ったんだ」などの不満の声が上がった。東京・有楽町で行われた街頭演説でも、弁士の中山泰秀衆院議員が「民主批判ではなく、首相に『もっとしっかりしてくれ』と言いに来た」と強調した。
首相は当初、会談の趣旨をいぶかった。小沢氏ペースを懸念し、政府高官は「拒否」を進言した。だが、細田博之幹事長から「補正予算をめぐっての申し入れ」と説明され、「逃げるもんでもない」と受諾した。「聞き置いたことにすればいい」との思惑が官邸サイドにはあった。
だが、政府高官の懸念が当たった。
一方の民主党。18日の参院外交防衛委員会はインド洋給油活動を延長する新テロ対策特別措置法改正案の採決を延期したが、同党所属の北沢俊美委員長は党国対の「委員会自体を開かせない」との指示には従わずに開会。「諸般の事情で質疑と採決ができなくなった」と説明し、「暫時休憩」にした。
参院で正式合意した審議日程を、党執行部が一方的に破棄することへのささやかな抵抗だった。
党首会談を小沢氏ペースで演出しても、解散に追い込めない手詰まり状況に変わりはない。小沢氏は18日午後、珍しく自ら足を運んで輿石東参院議員会長ら参院幹部と会い「ご迷惑をおかけした」と労をねぎらった。
初の党首会談は、同席者など関係者の話を総合すると、小沢氏ペースを感じさせる様子だったようだ。
「おれはこういうのは首が痛くてかなわん」。17日午後6時過ぎ、首相官邸4階の特別応接室。報道陣が退室したとたん、小沢氏は麻生首相と隣り合う椅子を、おもむろに首相の方に向けた。つられるように首相も椅子を動かし、2人は差し向かいの形になった。
「今日は時間をとっていただいてありがとうございます」。切り出したのは小沢氏。だが、丁寧な口調は最初だけだった。
「小泉内閣退陣以来3人目の首相。本来なら選挙で主権者の意思を問うべきだ」に始まり、自らの主張を一気にまくしたてた。さらに「あんたが10月30日に『2次補正を出す』と国民に約束したんじゃないか」と補正提出を要求。「あんた、月刊誌に『解散する』と書いたじゃないか」とも指摘し、「あんた」を連発したという。
小沢氏が、新テロ法案などの採決日程撤回に言及したことから、首相は「補正と給油延長法案などは関係ない。納得いたしかねます」と、いんぎんな言葉遣いで反論。小沢氏は「『選挙よりも景気対策』と言った国民との約束の方が大事だろう。議会よりも国民だ」と対決姿勢を強めた。
「補正を出したら審議も採決もしていただけるんでしょうね」との首相の念押しには、「代表としての責任で約束する」と答えた。
「じゃあ、そういうことでよろしく頼むよ」。小沢氏は最後にこう言って席を立った。「民主党の意図が分からない。聞き置いただけだ」。首相は直後、公邸で開いた党総務会メンバーとの懇親会でこぼした。
そんなことよりお前ら仕事しろ。
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