韓国造船業界、10月の受注ゼロ
世界的な景気不振、氷河に衝突した造船産業
韓国造船業界が船舶の受注減に直面している。2日に現代重工業と大宇造船海洋が明らかにしたところによると、両社の10月の船舶受注業績はゼロだった。世界トップの現代重工業が月別の実績で1隻も受注できなかったのは3年10カ月ぶりのことだ。大宇造船海洋は先月も新規受注がなく、2カ月連続で注文が滞ったことになる。米国発の金融危機と世界的な景気不振の影響で世界の造船業界が失速している中、韓国の造船メーカーも見通しが暗いとの指摘が相次いでいる。
◆米国発の金融危機で好況は終えん?
現代重工業にとって月別の受注がゼロとなったのは2004年12月以来のことだ。しかし、世界の造船業界が好況を謳歌(おうか)していた04年と今年は状況がまったく異なる。同社の関係者によると、「04年12月は季節的な要因が大きく、その月を前後して注文が多かったのが大きく影響した。しかし今年10月は明らかに世界的な金融危機の影響と考えられる」という。
大宇造船は、今年8月末に超大型タンカー4隻を受注したのを最後に注文が途絶えている。昨年10月には16隻、20億7000万ドル(約2043 億円)の注文があったのとは正反対だ。関係者は「船主との交渉は今も続いているが、話をしていると注文を遅らせたいような雰囲気だ」と状況を説明する。サムスン重工業は金澄完(キム・ジンワン)社長自らが先月欧州に出向き直接注文を取りに回ったが、結果的に受注額は2億5000万ドル(約247億円)にとどまり、9月の業績12億ドル(約1185億円)に比べると大きく減少した。
◆来年の見通しは2003年と同じレベル
金融危機が本格化した今年後半以降、韓国造船メーカーの受注額は目に見えて減少している。世界の造船・海運の動向を分析するクラクソン社によると、今年7‐9月期の韓国メーカーの受注量は329万5400CGT(標準貨物船換算トン数)で、4‐6月期の712万6300CGTのおよそ46%にまで落ち込んだ。ちなみに昨年7‐9月期の受注量(980万4100CGT)は同4‐6月期(1020万7500CGT)に迫っていた。とりわけ今年9月の新規受注量は59万3400CGTにとどまり、05年12月以来33カ月ぶりの低い数値となった。
信栄証券リサーチセンター長のチョ・ヨンジュン氏は「今は景気そのものが悪化しているという事情もあるが、船舶は注文してから現物を引き取るまでに2年から3年はかかるため、船主たちは将来に対する見通しが立たないことから注文を先送りしている。来年は世界の発注量が03年のレベルにまで落ち込むだろう」と予想した。
◆中小のメーカーは操業を中断
需要減の影響で、大手メーカーが主に製造している付加価値の高い超大型タンカーの新規注文価格は、先月に入って1隻当たりおよそ100万ドル(約9900万円)も下がった。33カ月間続いた価格上昇の流れがついに途切れたことになる。
産業研究院の洪性仁(ホン・ソンイン)研究委員は「韓国の造船業が景気後退期に入ったと結論付けるのは時期尚早だ。来年後半になれば造船景気も持ち直すだろう」と予測している。ある大手メーカーの関係者は「価格が高い海洋プラントの方向へと交渉が進んでいるものもあり、今年の受注目標は何とか達成できる見込みだ。注文が一時的に減ったとしても、4年分の受注をすでに受けているため問題はない」と述べた。
しかし中小のメーカーは困難な状況にある。資金難に直面しているC&重工業は今年8月から事実上の操業中断に入った。また全羅南道海南市のあるメーカーは、4000億ウォン(約310億円)を投じて建設を進めていた2番目のドック建設が、銀行からの資金供給中断で遅れが生じ、操業のスケジュールを見直さざるを得ない状況にある。その上注文までが先細りすれば、中小のメーカーとしてはまさに「泣きっ面にハチ」となってしまう。
来年後半以降に期待
業界関係者は「中小の造船所が顧客とする船主は資金力が十分でないケースが多い。そのため世界的な金融危機の影響をまともに受けている。資金源が行き詰まっている船主の中には注文を取り消すケースも出てくる可能性がある」と暗い見通しを口にしている。また、発注の余力が残っている船主らも大手のメーカーに流れているようだ。信栄証券のチョ・リサーチセンター長は「韓国の中小造船メーカーにとっては構造調整が避けられなくなるだろう」と述べた。
http://www.chosunonline.com/article/20081109000024
‥‥先月あたりまで、世界一ニダ!とかいってホルホルしてなかったか?