ズバリ!先読み 日本経済 改革停止、日本が危ない!
同じ話も別の視点から見ると、また違うんじゃね?
ということで、今度は高橋氏の上司、竹中平蔵氏の視点から攻めて見ました。
田原 総一朗によるインタビュー形式で非常に読みやすい。わかりやすい。
まさに読者が聞きたいと思っていることを、ずばりと聞いてくれている。
で、読んだ結論は「こいつら変人だ」
つまりわ、竹中氏といい高橋氏といい異様に神経が太いんだ。
あるいはとにかく神経が鈍い。恐竜並に鈍い。
なるほど、こういう連中だから公務員制度改革やら郵政民営化やらが出来たわけね、と納得。
そして彼らは非常に合理的に論理的に物事を思考する。
枝葉、瑣末事は迷いなく切り捨てる。
その結果が「是々非々」と表される小泉改革だったんだなーと。
やっぱり頭良い人たちだね。それはすごく思った。
難しいことを平易に伝えようと、正確性や細部を丸めている感がある。
切り口の違う本を何冊か読めば、実態に近いものが見えてくるのかな。
郵政民営化、不良債権処理、公務員制度改革、みんなやるべきだったし、やってよかったと今でも思うし、彼らだから出来たことだと物凄く納得した。
したうえで、こいつらだからこうなったのかーとも納得した。うん。
さて、昨日今日と紹介した本のまとめを、自分思考の整理を兼ねてメモ
【郵政民営化の話】
かつて旧大蔵省は、郵貯や簡保で集めたお金を、独立行政法人等でめちゃくちゃな運用していた。
それがかつてあんなに高かった郵貯の利率の正体。
つまり、国民もまた知らないうちに荷担していたわけだ。
行政法人に投資して、あんな利息がつくわけがない。
システムを導入してきちんと計算してみたら、毎年20兆円近くの赤字を出していた事が発覚する(動画の発言より)
これが世間にばれたら大蔵省は解体される!あせった官僚たちは、ばれる前にと処理をした。
それが財政投融資制度改革の正体。
財投改革により、郵政は長年の悲願であった郵貯の自主運営を任され大喜びするが、これは時限爆弾つきの代物だった。
国営金融機関である限り、国営のもので運用しなくてはならない。
つまり、郵貯を国債で運用することに。
郵貯の利率+経費と国債の利率の差額が収益となる。
金集めて国債で運用って楽な商売だな。
これなら直接国債を買ったほうがいいんじゃね?と普通の人は考える。
国債が売れれば、国債の利率が下がる。下がりに下がって、今は2%程度だっけ。
ってことは、いずれ
郵貯の利率=国債の利率になり、
郵貯の利率+経費>国債の利率になる可能性大。
こうなると、郵政は赤字。しかも運用している金額が莫大だから、赤字も莫大になるでしょう、と。
この状態になるのを回避するには、市場で運用できる民営化しか方法がない。
なるほど。確かにそれじゃあしょうがない。
(理由は他にも色々あるが)郵政民営化は400兆にもなる国民の貯金を守るために行われた。
【公務員制度改革の話】
公務員は年功序列。
40歳で年収1000万なら、同期みんな横並びで1000万。これが常識。
けれど高いポストになるほど椅子の数が減っていく。
だから出世競争に負けた人には、同じように年収1000万になるような所に天下って貰うのが慣習だった。
天下り先を作るために、民間委託でも良いことでもあえて独立行政法人を作るということもやっていた。
また、補助金や財投を餌に天下りを受け入れさせるということもしばしばあった。
若い官僚には関係ない話だが、年配になってくると老後の面倒まで見てくれる省が第一になってくる。これは、まあ、率直に言って人情だよなあ。高潔さを求めても無茶だろう。
ほとんどの国家公務員が一生涯ひとつの省で過ごす。
省では退職後の職の世話までやってくれる。ゆえに省第一になるのも当然と。
だから代々の官僚の為に天下り先を作ってしまう。
だったら天下り先を作るメリットを無くせばいいんじゃね?と考えたのが高橋氏。
省による天下り斡旋の禁止。再就職は内閣管轄の人材バンクにて斡旋されるから、各省が自分たちの天下り先確保のために行政法人を作っても、そこに自分たちが天下れる保証が無い。
つまり、作っても作り損になる可能性が高くなるので、本当に必要な行政法人しか作らなくなるだろう、と。
そりゃそうだ。
ロジックが分かると細かい政策の意味も分かってくるなー。