<首相退陣表明>突然の緊急会見 後継は麻生氏軸に調整
福田康夫首相は1日午後9時半から、首相官邸で緊急に記者会見し、「新しい布陣の下、政策実現を図るためにきょう辞任を決意した」と述べ、退陣する考えを正式に表明した。国会運営や衆院選の時期を巡って連立を組む公明党との亀裂が生じたことから、与党内の求心力が低下。民主党が攻勢を強める中で臨時国会を乗り切るのは困難と判断し、自らの退陣によって事態の打開を図ったものだ。昨年9月12日に安倍晋三首相(当時)が突然、辞任表明したのに続き、福田首相もわずか1年足らずで政権を投げ出す異常事態になった。
12日に予定されていた臨時国会の召集は下旬にずれこむ見通し。辞任表明に先立ち、首相は1日夕、首相官邸で自民党の麻生太郎幹事長、町村信孝官房長官と会談。退陣する意向を伝えた。後継選びは麻生氏を軸に進むとみられ、麻生氏は1日夜、記者団から総裁選出馬の意思を問われ「(自分が)適任と思わないわけではない」と意欲を漏らした。自民党は総裁選の過程で、新首相への注目を高め、新首相効果が持続可能な今秋にも衆院解散が行われる可能性が出てきた。
会見で、首相は「先の国会では民主党が重要案件に対応せず、国会の駆け引きで審議引き延ばしや審議拒否を行った。その結果決めるべきことがなかなか決まらない」と民主党を厳しく批判。「国民生活を第一に考えるなら、今ここで政治の駆け引きで政治的な空白を生じてはならない。政治空白を作らない一番いい時期だ」と辞任の理由を説明した。
首相は「内閣支持率の問題もあるかもしれない」と述べるとともに、辞任を決意した時期については「先週末に最終的な決断をした」と述べ、原油・物価高を受けた総合経済対策の決定が節目になったことを明かした。
首相は8月1日に内閣を改造し、臨時国会では総合経済対策、新テロ対策特別措置法の延長、消費者庁関連法案の成立などに取り組む意欲を示していた。しかし、公明党が臨時国会の早期召集に難色を示し、新テロ特措法改正の見通しが立たないことや、「定額減税」などで政府への圧力を強めていることを受け、これ以上政権を維持するのは難しいと判断した。安倍前首相も昨年8月27日に内閣改造を行ったが、翌月12日に退陣表明、同月26日に退陣した。2代続けて内閣改造から短期間での退陣となった。
首相の辞任表明を受け、自民党総裁選管理委員会は総裁選日程を2日に決める方向だ。総裁選では麻生氏が最有力候補とされるが、麻生氏の経済財政政策に反発する中川秀直元幹事長らは小池百合子元防衛相らを擁立し、対抗する可能性もある。
急すぎてついていけないが、タロサファンとしては精一杯応援するしかないな。