日本は「軽量級」の相手だ
わたしは今、日本に赴任してから、3度目の独島(日本名:竹島)騒動を経験しているところだ。2005年、日本の一地方(島根県)が「竹島の日」を制定した波紋がまだ鎮まっていないころに赴任し、06年に日本の調査船が独島に派遣された騒動、そして今年は中学校の新学習指導要領解説書の問題が起きた。07年は独島でなく、米下院の「旧日本軍による従軍慰安婦強制動員を非難する決議案」問題があったが、これを含め韓日の歴史問題は毎年恒例の行事といえよう。
歴史認識において、日本は「全くの無知」に近い政府を持つ国だ。歴史を研究する学問的な深さは海のようだが、歴史を現実として扱う政治的な深さは小さな川のように幅が狭く、底が見えている。事実、日本が現実の政治において歴史にまで配慮する深さを持っているなら、韓国の隣には今よりももっと恐ろしく、もっと強い日本があるのかもしれない。日本が軽率に振る舞うことは「幸い」といえなくもないのでは―騒動が起きるたび、そう思う。
もちろん、日本に対する韓国の態度は、ため息が出るほど「やぼ」なことこの上ない。しかし、わずか100年前に領土を奪われた経験があり、まだ被害意識をぬぐい切れない国の国民としては仕方ないのではないかと思う。「効果がない」と知りつつも声を張り上げるしかなく、独島は言うまでもなく韓国領土であるのにもかかわらず、米国政府のたった1行の表記に動揺する気持ちが理解できるのは、わたし自身も韓国人だからだろう。
だが、やるせない思いをつかの間晴らしたとしても、正しい答えはやはりこうした方法ではない。「独島は韓国領土である」という事実を、英語を理解しない外国政府や機関に知らしめ、最終的には領土を武器で奪われない国をつくるのが正解だというのは、誰の目にも明らかだ。「強い国づくり」は難しい課題だが、韓国人はこれまでも努力を続けてきた。強国ではないが、武力で支配される弱小国でもない。日本が今、独島の武力侵攻を夢見るほど分別がつかなくなっているわけでもない。
今、わたしたちが当惑しているのは、「独島は韓国領土だ」と伝え続けるという易しい課題を、韓国人自身がなおざりにしてきたことだ。韓国政府がもう少し気を使っていたら、幼稚な例えだが、在外公館の官僚がゴルフに気を使うのと同じくらい独島に関心を注いでいれば、日本をけん制することなど簡単なことだ。おそらく、現在の韓日間にあるあらゆる問題のうち、現実的・論理的に最も韓国に有利な懸案を挙げるなら、それは独島問題だろう。つまり、第3者に対し独島領有権を説得できないくらいなら、ほかのどの懸案においても「韓国が日本に勝つ」など夢のまた夢だろう。
しかも、もっと大きな課題は、歴史・領土問題で日本よりも「重量級」の中国が動いているということだ。中国はもっと無礼で、もっと非論理的で、譲歩を強いてくる国だから、遠慮なく経済・軍事的圧力を加えてくる可能性が高い。中国は、今の日本のようにたとえ口先だけだとしても礼儀を持って美辞麗句を並べることはないだろう。そういう時も韓国は中国大使館の前で絶叫し、(中朝国境の)白頭山の上に戦闘機を飛ばすだろうか。その時は在中国韓国大使館の前で脅迫し、逆に白頭山の上に戦闘機を飛ばすような相手に、韓国は立ち向かわなければならないかもしれない。
韓国はこれを機に、徹底的に練習しておくべきだ。日本を相手に問題を落ち着いて、合理的に、だが愛国的に解決する方法を。枝葉のような歴史・領土問題が国の存亡に直結しないよう、政府と国民がうっぷんを鎮め、メンタル面をコントロールする能力を身に付けるべき時期がそろそろやって来る。国境問題で統一ベトナムと10年間も戦争をした中国に比べれば、今回の相手は全くの軽量級にすぎない。
http://www.chosunonline.com/article/20080731000044
http://www.chosunonline.com/article/20080731000045
日本は中国と違って仕返してこないことが分かっているから、舐められているということですね。