移民1000万人受け入れ 国家戦略本部が提言
自民党国家戦略本部(本部長・福田康夫首相)の「日本型移民国家への道プロジェクトチーム」(木村義雄座長)は19日、日本の総人口の約1割に当たる1000万人の移民受け入れを目指す政策提言をまとめた。20日にも首相に提出する。経済成長重視の「上げ潮」派のリーダーである中川秀直元幹事長が旗振り役を務め、「中川総裁誕生に向けたマニフェスト(政権公約)だ」(自民中堅)との見方もある。一方、移民の大量受け入れに保守派は難色を示しており、党内の軋轢(あつれき)がますます広がる可能性もある。(加納宏幸)
「外国人が暮らしやすい社会は日本人にも暮らしやすい社会だ。多文化共生に向けたメッセージを発し、国民運動を進めていく必要がある」
中川氏は19日のPTで提言の実現に向け、強い意欲を示した。
提言では、50年後の日本の人口が9000万人を下回るとの人口推計をもとに移民受け入れによる活性化を図る「移民立国」への転換の必要性を強調。移民政策の基本方針を定めた「移民基本法」や「民族差別禁止法」の制定、「移民庁」創設などを盛り込んだ。
「移民立国」は中川氏の持論で自らが会長を務める「外国人材交流推進議員連盟」で構想を温めてきた。秋の臨時国会に一部法案の提出を目指す考えだ。
国家戦略本部は平成13年、小泉純一郎首相(当時)が国家の中長期ビジョン策定を目指して総裁直属機関として設置。保岡興治元法相が初代事務総長を務め、憲法改正などをテーマに提言をまとめてきた。
一時活動が低迷していたが、中川氏が昨年8月に幹事長を辞任すると大幅にテコ入れし、現在は下部機関に24のPTを抱える大組織となった。霞が関の意向を受けやすい政務調査会とは違い、衆参議員や民間・学識経験者が企画立案を担うことが特徴で、公務員制度改革では推進役となり党内の慎重派を牽制(けんせい)。「衆院200、参院50への議員定数削減」など大胆な提言を次々に打ち出してきた。
背景には、福田政権となり、党政務調査会が与謝野馨前官房長官や園田博之政調会長代理ら「財政再建派」の牙城となったことが大きい。これに危機感を抱いた中川氏らが、国家戦略本部が総裁直属機関であることに目を付け、「第2政務調査会」の役割を担わせたというわけだ。
これに対し、財政再建派や保守派は神経をとがらせている。特に移民政策は国家の根幹にかかわるテーマだけに「経済効果だけを重視して推し進めるべきでない」(閣僚経験者)との声も出始めており、秋の臨時国会で法制化の動きが始まれば、激しい論争になる可能性が高い。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080620/stt0806200013000-n1.htm
外国人が暮らしやすく、日本人に暮らし難いの間違いじゃないかと。