中国政府、被災地復興を各省に割り当て 四川大地震
四川大地震の被災地復興を進めるため、中国政府は全国の省や自治区、直轄市に被災地を割り当て、復興に責任を持たせる仕組みを導入した。地方指導者に被災地支援を競わせる狙いで、各省は早速、仮設住宅の建設計画などを争うように発表している。
仮設住宅への入居が始まった四川省都江堰(とこうえん)への支援を割り当てられたのは上海市。同市政府は26日、予算の経常的支出を10%カットして仮設住宅の建設に充てることを決めた。市内の区や県も予算の5%を救援に投じる。同日の会議で韓正市長は「中央政府が上海に与えた救援任務を100%成し遂げなければならない」と強調した。
上海に本社を置く鉄鋼最大手、宝鋼集団も都江堰に従業員を派遣し、仮設住宅の建設に当たっている。都市計画策定は上海の同済大学が支援し、防災や住宅、橋の設計などの専門家が現地入りした。
綿陽市平武県で仮設住宅1万棟を建設するのは吉林省。生産、輸送から組み立てまで責任を負う。5千棟は7月20日までに完成させる。
震源のぶん川(ぶんはサンズイに文)県への支援は、経済規模で中国1位の広東省が、北川チャン族自治県は、2位の山東省がそれぞれ担う。北京市は四川省徳陽市什ほう(ほうは方にオオザト)に加え、甘粛省隴南市も担当する。
中国民政省は22日付の緊急通知で、被災した23地区を割り振った。地方政府を動員する手法はチベットの開発支援などでも活用されている。
24日に成都で開かれた被災地支援の会議で、馬凱・国務委員は「全国の力を挙げて、割り当てによる支援を実行する」と述べ、1カ月以内にテント90万張りを準備し、3カ月以内に仮設住宅100万棟を建設する目標を示した。
地方指導者は政策運営実績で昇進が左右される。これまでは経済成長が最重要指標で、最近は環境保護への取り組みも重視されるが、四川大地震で「試験科目」が一つ増えた格好だ。
地震による経済損失は2千億元(約3兆円)以上になる見通し。中央政府はすでに被災地復興のために700億元(約1兆円)の支出を決めた。ただ、中国では地方政府の財政上の独立性が高く、全国の財政支出の8割近くを握っている。中央としては、地方政府に支援実績を競わせながら相応の負担をさせる方針だ。ただ、復興費用が膨らめば各省に過大な負担がかかり、成長の重しになる恐れもある。
http://www.asahi.com/international/update/0529/TKY200805290319.html
>中国では地方政府の財政上の独立性が高く、全国の財政支出の8割近くを握っている
これは知っているが。
それにしても面白い国だなあ。