いわゆる「良心作」と銘打たれた映画が、おしなべてつまらないのはなぜか。人間は、「いいことをしようとするときは、自分が非難されたり攻撃されたりする恐れがないわけだから、あまり深く物事を考えないのではないだろうか」。
▼映画通の作家、長部日出雄さんはいう(『紙ヒコーキ通信』)。むしろ悪事を働こうとするときこそ、「バレると大変だから、いろいろ手口について考えをめぐらす」。
▼日本の調査捕鯨船が南極海で捕獲した鯨肉の一部を乗組員が無断で持ち出したと、環境保護団体の「グリーンピース・ジャパン」が、東京地検に告発状を提出した。良心的とはとても思えないが、シナリオはよく練られている。
▼おそらく乗組員に法の裁きを受けさせるのが目的ではない。証拠品の鯨肉を、配達中の運送会社の荷物から無断で抜き取った行為こそ、法に触れる疑いがある。その程度の「悪事」は、反捕鯨という彼らの正義の前では、取るに足らぬことなのだろう。朝日新聞が不正の疑惑を大きく報じたことで、目的はほぼ達せられたといえる。
▼それにしても、調査捕鯨船には災難が続いている。南極海では、米国の反捕鯨組織「シー・シェパード」につきまとわれ、乗組員は命の危険にさらされた。5カ月にわたる航海での作業はもともと過酷で、人手の確保が難しくなっている。乗組員には、「土産」として鯨肉を無料で持ち帰る慣行があったという。
▼ねぎらいの気持ちが込められているのだろうが、脇の甘さは否めない。捕鯨は文化の違いでは片づかない、政治闘争のテーマとなってしまった。鯨の生態を把握するために行う調査捕鯨は「いいこと」であっても、悪事をなすときのような細心さが求められる。
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080519/trd0805190312000-n1.htm
こういう、えげつない手段の片棒を担ぐから朝日は嫌われるんだが。
ところで
>いいことをしようとするときは、自分が非難されたり攻撃されたりする恐れがないわけだから、あまり深く物事を考えない
これはなんか分かる。
人権派な皆さんは、自分は正しいという傲慢さからか思慮の浅い発言が多い。
それだけ愛を振りまけるんだ。もうちょっと頭を働かせれば、マシな活動も出来るだろうに。