タフな中国の受験生 それに比べて日本は…2008年04月07日
作家の曽野綾子さんが新聞のコラムに、仕事で衛生状態の悪い国に行くことが多いので、日ごろから身体も不衛生に慣らすようにしている、というようなことをお書きになっていた。
確かに先日、愚息が大学卒業を前に人に薦められて1カ月ほどインド西部に行って帰国してきたが、しばらく腹の調子をくずしていた。曽野さんの逆もまた真なりのようで、帰国してからというもの、以前は妙に潔癖だったところが、不思議なことにそれを目にしなくなった。以前ならテーブルの下に落ちた食べ物は口にしようとはしなかったはずだが、つい先日は何事もないように口にいれていてこの小さくて大きな変化に少なからず目を瞠(みは)った。
確かに曽野さんもお書きになっているように、一般論としては衛生をよくするのが正当である。しかし、時と場合によれば、そのことでかえって病気になることもあるのである。
それていて先日もインドに開発を依頼したという学習ソフトの出色な出来映えと、わが国の7分の1という低コストでそれがかなったということに改めて驚いたばかりである。一言でいえば、かの国民は生命力も能力もタフなのだ。
インドばかりではない。筆者の母校のご縁で中国の大学(北京師範大学)で教育社会学の研究をされている学究(日本人)から日中の受験をめぐる人間関係の面白い調査結果を教えていただいた。
それは、例えば「入試直前に成績が下がった子どもを教育熱心な親が怒った」(親子関係)とか「勉強に熱心でなかった友人が急に勉強をがんばり始め、成績で抜かれてしまった」(友人関係)等の事例に対して日中の高校2年生の回答を統計的に処理してその違いを分析したものだ。その渡辺忠温さんという若い学究によれば上記のような調査の結果、親子関係に関しては「中国の場合、対立に肯定的もしくは話し合いを強調する回答が特徴的なのに対して、日本では“解決不能”などの回答が目立った」。また、友人関係では、前掲のようなことが起こっても「中国の場合、関係はそのままだが、日本の場合は“関係は悪化”もしくは“ライバル関係になる”など対立関係への変化を示唆していた」とのことだった。
ここにみられるわが国の高校生の姿はひ弱であり、中国の受験生はタフである。
面白いのは受験というフィールドでも、いやだからこそこうした違いが浮き出していることだ。筆者などには小学生にしても同じ様子に映る。親として大人として考えておかなくてはならないもう一つの「受験問題」であろうと思う。
http://www.asahi.com/edu/student/morigami/TKY200804070059.html
すいません。エントリーしてみたものの、何を言っているのかさっぱり分からないもので。