日本と韓国 今度こそ「未来志向」の関係を
きょう、韓国の新大統領に保守系ハンナラ党の前ソウル市長李明博氏が就任する。訪韓中の福田康夫首相は首脳会談を行う予定だ。
日韓の首脳同士が定期的に相互訪問する「シャトル外交」の再開などで合意する見通しだ。政権交代を機に両国関係が改善することを期待したい。
最近の日韓関係は屈折した道筋をたどってきた。二〇〇三年に就任した盧武鉉大統領は「未来志向」の関係を掲げ、小泉純一郎首相との間でシャトル外交を展開した。
しかし、竹島(韓国名・独島)領有権問題や小泉首相の靖国参拝などで盧政権は対日強硬路線に転じ、関係は一気に冷えてシャトル外交も途絶えた。後任の安倍晋三首相の訪韓で一応修復したとはいえ、根本的な改善がないまま盧政権の任期切れを迎えたのが実情だ。
これに対し、李氏が「今後の日韓関係はより未来志向的に進まねばならない」と関係改善に意欲を見せているのは好ましい。福田首相もアジア重視を唱えている。新しい日韓関係がスタートを切るのは歓迎だ。
もちろん竹島や靖国参拝、歴史認識などの懸案が政権交代で解消されるわけではなく、これからも解決へ向けて地道な努力と謙虚な姿勢が求められるのは当然である。
ただ、「未来志向」の前向きの関係を築くこともそれに劣らず重要といえる。関係が改善すれば、おのずから懸案解決への道も開けよう。以前のように挫折することなく、両国関係が成熟することを望みたい。
経済界出身の李氏が大統領選で「経済の立て直し」を訴え、支持を得た点にも注目したい。韓国経済は表面的には成長を続けているものの、非正規労働者が被雇用者の過半数を占めるなど格差が拡大し、国民の不満がたまっているという。
年7%の経済成長を目指すとした李氏が、日韓の間でも実利的な経済外交を行う方針なのは自然な成り行きだ。
日本としても経済交流の促進には異存がないはずだ。中断している経済連携協定(EPA)締結交渉の再開などもいずれ日程に上るだろう。経済を柱に政治、文化など各方面の交流を活発にしたい。
とりわけ重要なのは日韓関係の緊密化によって北朝鮮や中国を含めた北東アジアの平和・安定を図ることだ。
李氏は北朝鮮に対し金大中、盧両政権のような「包容(太陽)政策」とは差別化を図るとしており、北朝鮮の核放棄や人権問題について従来より強い態度で臨むとみられる。
北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議は「すべての核計画の申告」という条件が実施されずに停滞している。韓国の路線の変化は、こうした状況を打開する上でプラスに働く可能性もあるのではないか。
李氏は日本人拉致問題について日本の立場を「理解、支持する」としている。新しい日韓関係をテコに拉致問題での進展も大いに期待したい。
http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017200802253929.html
でもほら、あの国の未来の方向ってコロコロ変わるから、付き合ってられないんだよね。