通信使、日朝交流に寄与
湖灯塾、京都造形芸大・仲尾さん講演
京都新聞滋賀本社主催の講演会「湖灯塾」(滋賀中央信用金庫協賛)が15日、近江八幡市出町の京都新聞八幡支局湖灯ホールで開かれた。京都造形芸術大客員教授の仲尾宏さん(71)が「朝鮮通信使400年、そして」と題し、通信使を迎えた時代の豊かな日朝交流と、その意義について話した。
仲尾さんは、1607年から1811年まで12回にわたって日本を訪れた朝鮮通信使について、当初の目的に、豊臣秀吉が朝鮮侵略時に日本に移送した数万人に上る被虜人の送還があったことなどを紹介した。
通信使とは「信(よしみ)を通わす」の意味で、日本と朝鮮が信義を交わし合う対等の関係だったと説明、「朝鮮蔑視を脱し、対等な関係を築いた200年間は日本史上の大きな転換点となった」とした。また、500人に上る朝鮮通信使の一行に儒学や書、絵画、医学にたけた人がおり、「両国が互いの文化を学び、認め合う機会になった」と意義を話した。
結びには、通信使と交流した学者、雨森芳洲の言葉「争わず、偽らず、真実をもって交わり候を誠信の交わりと申し候」などを引用し、多文化共生の思想の重要性を訴えた。
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007121500134&genre=K1&area=S20
日本は対等だと思っていても、向こうがそうは思ってないから。