県内バスに“格差問題” 臨時運転手が急増
松江市交通局75% 責任同じで収入は半分
厳しい経営状況にある松江市交通局など県内の乗り合いバス事業者で、正規運転手が減り、臨時運転手が増えていることがわかった。人件費の抑制で赤字拡大を防ぐ試みだが、特に松江市交通局では約75%を臨時が占めており、今後、収入面だけで2倍近い差がある正規との“格差問題”が浮上しそうだ。
松江市交通局によると、今年4月現在、74人のバス運転手のうち54人が臨時運転手。民間から転職した人や定年退職した人などが、半年ごとに契約を更新している。人件費を抑えるため、10年以上前から徐々に正規職員が減っており、記録の残る2002年4月には正規47人に対し、臨時は50人で、割合は52%だった。運転手自体も97人から74人に減っている。
正規、臨時とも週40時間の労働時間に変わりはないが、臨時は1日9000円の日給制で、年収(昨年4月の平均年齢44・9歳)は約350万~400万円。これに対し、正規(同45・1歳)は約750万~800万円となっており、2倍近い差がある。臨時で働く30歳代の男性は「正規職員になるための昇進試験もない。子どもが育ち盛りで、これからが心配」と話し、臨時の50歳代男性は「運転手は乗客の命を預かるという点で、責任の重さは同じ。勤務時間も内容も大して変わらないのに賃金差が大きすぎる」と不満を漏らす。
格差について、市交通局では「縮まるように考えていかなければならないが、急に給与体系を変えることは難しい」としている。
一方、安全面がおろそかにならないように、市交通局は、乗車前のアルコールチェックや年2回の定期面談を実施するなど、正規と臨時の両方に同じ安全面の施策を講じている。
民間の「一畑バス」(松江市)は、正規148人に対し、臨時(契約社員と、定年退職者などの非正規社員で構成)は24人で、割合は14%にとどまっている。
民間会社「石見交通」(益田市)は今年、正規105人に対して、1年契約の臨時は75人で、割合は42%。20年前には正規234人、臨時6人であり、今後、両方が同数程度になることを目指す。
県外では、民間「広島バス」(広島市)が今年、正規252人、臨時96人で、割合は28%。1997年には正規364人、臨時6人で臨時社員は16倍に増えた。民間「広島交通」(同)では1986年に初めて6人の臨時社員を採用しており、昨年は正規222人、臨時44人で、割合は17%だった。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shimane/news001.htm
実は今、公共関係の非正規職員の比率がとんでもないことになっている。
ちょっと前にも、官公庁での日雇い職員の存在が問題になっていた。
日雇いのため何年働いても通常もらえるはずの権利(年休等)が貰えない。
労働基準法では半年以上雇うと、アルバイトだろうがなんだろうか各種保険等をつけなければならないが、日雇いだったり半年以内で雇用規約を切ってしまえば、健康保険料も、雇用保険も、厚生年金保険料だって払わなくていい。
うわーい、なんて画期的な人件費削減法。
ってこれ、脱法行為じゃないか。
どうも今ではどこの公共関係でも半数以上が非正規職員でまわしているらしく、実のところ国こそが年金保険料を支払わない雇用主の筆頭になってるんじゃないかと。
この状態、実は結構やばいんじゃないかと最近思い始めている。