<学力テスト>経済格差も影響 最上位・秋田 最下位・沖縄
学力の格差が一部の都道府県で著しい実態が浮かび上がった。24日公表された全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果では、最上位の秋田県と最下位の沖縄県で大きく差が出た。経済的な格差、家庭状況が学力に影響しているとみられ、沖縄県の教育関係者からは「戦後置かれた状況は、本土とは異なっておりハンディがある」との声も漏れた。【三森輝久、馬場直子】
テストでは、ほぼ9割の都道府県が全国の平均正答率から上下それぞれ5%以内に収まり、文部科学省は「縮小傾向」と評価した。しかし、国語と算数・数学計8分類すべてで最下位となった沖縄県と、5分類でトップだった秋田県の正答率の開きは大きく、20%を超える科目もあった。また、上位には富山、福井各県が続き、下位には北海道、大阪府が位置した。
沖縄県は88年度から学力向上に取り組み県統一のテストを行ってきた。しかし、沖縄県の仲村守和教育長は「成果が表れると思ったのに、まだだった」と話した。
「本土と比べ経済的に余裕のない世帯が多い。教育にお金を使えないうえ、親が十分に勉強に気を配れない家庭環境が背景にあるのでは」。沖縄大の川井勇教授(教育学)は経済格差が原因とみる。沖縄県の失業率は7.5%(07年8月)で全国平均の倍近い。「学費が払えない」を理由に退学する大学生も毎年いるという。離婚率も人口1000人当たり2.68件で全国トップ(06年度)となっている。
◇秋田県教委の幹部「驚いた」
一方、秋田県は過去の全国学力テストで都道府県のうち40番台にとどまり、全国平均を上回ったのは音楽だけだった。24日記者会見した秋田県教委の幹部は「びっくりしている」「驚いた」ととまどいの表情を見せた。
専門家は好成績の理由に、01年度から取り組む「少人数授業」を挙げる。秋田大の浦野弘教授(教育方法)は「1学級は20人前後で教育先進国のフィンランドと近く、目が届きやすい」と解説。また、「自習がきちんと成立し、学級崩壊がほとんどない。勉強に取り組む姿勢が確立している」と分析する。同大の佐藤修司教授(教育行政学)も「貧富の差が著しく、階層化が激しい大都会に比べ、家庭が比較的安定している」と述べた。
衝撃 予想外の格差/学力テスト
「強い衝撃を受けている」―。全国学力テストで県が最下位の成績となったことに、仲村守和県教育長は落胆を隠さなかった。県教育庁は二十年来、学力向上対策を最重要課題に掲げてきただけに「対策を一層充実させなければならない」と県民総ぐるみの取り組みへ決意を込めた。一方、沖教組の関係者は「学びの質を見直す機会」と話し、学ぶ楽しさを伝える授業の実践を訴え、研究者からは画一的な教育を批判する声も上がった。
仲村教育長は県の結果を報告する会見で、「すべてにおいて全国平均には及ばない状況」と切り出し、ゆっくりと問題点を確認するように説明を始めた。
「中学数学ではA問題で14・7ポイント、B問題で13ポイント全国との差が開いている」「無解答率が全国平均の二倍近くある」。突きつけられた課題は少なくなかった。
しかし、「全国とのギャップが分かったので、逆にいい機会だったんじゃないか。学校、家庭、地域が一体となった県民総ぐるみの学力向上対策を強力に推し進めていきたい」と決意を見せた。
県教育庁は一九八八年度から学力向上対策に力を入れてきた自負もある。これまでの対策について仲村教育長は「(県独自の)達成度テストの点数は上昇し、大学入試センター試験(の平均点)では十年ほど前から全国最下位を脱出した」と強調した。
沖教組の山本隆司副委員長は「最下位」の結果を冷静に受け止めた。
「これまでドリル問題を繰り返すなど詰め込み式の授業で、子どもが面白いと思える本来の学びが実践されていなかった。沖縄は他県に比べAとBの正答率に差があるが、そこにその結果が表れている」と指摘する。
今後は、「子どもたちをどんな人間に育てるか真剣に考え、学びの質を考え直さなければならない」と訴える。
「応用、活用的な授業こそ学ぶ楽しさがある。教師がゆっくりと教材研究できる時間を設け、裁量を確保すれば、子どもに物の見方が広がる授業ができる」と提言した。
一方、県には来年度以降、全国学力テストへの参加を見合わせるという選択肢もある。沖縄大学の加藤彰彦教授は「地域性を無視した全国一律の学力テスト自体に反対」とし、「地方分権で『教育』はつくられるべきで、沖縄と東京では子どもへの期待や状況は違う。各地方ごとに『こんな子を育てたい』と考えるべきで、地域の教育をつぶしてはいけない」と訴え、画一的な教育の在り方を批判した。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200710251300_02.html
>戦後置かれた状況は、本土とは異なっておりハンディがある
戦後はもう関係無いだろ。