先日民主党の鳩ポッポが、政府広報が公職選挙法違反だと訳の分からない事を言い出して、告訴までしてしまいましたが、実際に広告を見てもどこが違反なのかが分らない。
どの条文に触れるのか、さーっぱり分らない。
で、告訴を支持している人をつっついて、その言い分を聞いてみたのですが、どうやら「名寄せ」という言葉の定義の問題が根底にあるようで。
金融関係で言う「名寄せ」は以下の模様
名寄せとは?
金融機関や金融商品が増えるに連れ、1人でいくつもの口座を開設したり、同じ口座にも何種類もの商品を預けることが当たり前のようになっています。
ペイオフ解禁で預金の保護範囲が限定されるに伴い、預金の主体が誰なのか明確にならないと預金総額を算出することが出来ません。その主体を確定させることが「名寄せ」です。
「名寄せ」とは、1預金者の預金の合計金額を特定させる作業
http://www.e-sumaisagashi.com/new_page_89.htm
これを年金問題に当てはめると、「浮いた記録、ばらけた記録を統合する事」になるのだろうか。
「名寄せ」=「浮いた記録、ばらけた記録を統合する事」だとすると、広報に書いてある「~までに名寄せを終了させる」は「~までに年金記録を統合させる」という意味になり、自民党の主張、というより誇大広告になる。
ところが現実の年金問題で言う「名寄せ」が何かと言うと
本人の親告無しで統合できる記録を統合する
に過ぎないんだなあ。
実際の作業手順は(これは殆ど知られていないんじゃないかと思われる)
第一段階
入力方法に違いから生じた場合や外字による間違いがあるので
ヤマダタロウ
ヤマダ タロウ
ヤマタ タロウ
ヤマタタロウ
とか
渡辺
渡部
渡邊
渡邉
とか言う風に違って、かつ生年月日・性別が同一の記録を統合する
第二段階
結婚で姓が変わった場合があるので
姓抜き、名前だけが同一のもの
例えば
○○ 和恵
△△ 和恵
とか、
生年月日の入力ミスの場合があるので
生年月日、+-1日違いはOK
とか、
性別入力ミスの場合があるので
男女のチェックをはずす
とか、
(多分今後やり方は増えるのだと思う)
で、これらの作業が出来たら順次、本人に通知して確認して貰う。
そもそも最初に書いた金融機関で言う「名寄せ」は入力が正確であるという前提で行われる統合作業。
年金問題の場合は入力ミス大杉を解決する為の前作業的意味合いに近い。
言葉の意味が全然違うんだなあ。
で、当然こんな事で全ての年金記録が統合できるはずもなく、「名寄せ」作業後に加入記録に穴のある人に通知を出し、本人に確認して貰う。
こういうのを対症療法と言うんだっけ?
なんでこんな手順を考えたかというと、これまで社会保険庁は受身体質で、年金加入者からの親告が無い限り動く事は無かった。
そこで今後は自主的に統合作業をする事を決め(あたりまえだっつーの)、加入者が言い出さなくても、社会保険庁で統合できる記録は統合しましょう、というのが年金問題における「名寄せ」なわけ。
加入者本人の確認が無くとも統合できる分だけ統合して、後は記録が浮いていると思われる人に通知を出して確認して貰いましょう、というのが政府の考え方。
ところが委託(する予定の)業者に言わせるとそんな非効率な事は無い、ってことで、間違いだらけの入力データは活用しないで、最初から全部入力しなおし。後で、旧データと照らし合わせて「名寄せ」するんだそう。
一年で出来るのかと聞かれて(確か朝日)余裕かましていた。
なんだか何もかも民間に任せてしまった方が確実のような気がする…。
まあ、なんにしろ「名寄せ完了」=「統合作業完了」ではないという事と、期日内には「名寄せ」だけなら完了するであろう事、それで残った「浮いた記録」の統合作業はまた別の話になるという事が押さえておくべきポイントかな。