<年金問題>記録漏れ被害者に救済基準 第三者委が決定
公的な納付記録も領収書もない人に年金を給付するかどうかを判断する「年金記録確認中央第三者委員会」(委員長=梶谷剛・前日本弁護士連合会会長)の会合が9日、総務省で開かれ、「明らかに不合理でなく、一応確からしい」という判断基準と、それを具体的に例示する関連資料や周辺事情などの「別表」を盛り込んだ基本方針を決定、菅義偉総務相に提出した。今月中に全国50カ所に設置される地方第三者委員会が判定ガイドラインとして活用する。
本人からの申し立て内容が「社会通念に照らし、明らかに不合理ではなく、一応確からしい」ことを判断基準に、記録漏れ被害者の救済を図り、有力な証拠がなくとも「総合的に判断」するとの立場を明確にした。
判断基準を具体的に裏付ける関連資料や周辺の事情は別表の形で例示した。
別表では、国民年金の場合は、未納とされている期間に同一預貯金口座から保険料に相当する金額の引き落としがあるケースをはじめ、確定申告書や家計簿の記録などの関連資料を列記。また、「一応、確からしい」と容認できる周辺事情として、(1)未納とされる期間が短期間または期間数が少数回(2)配偶者などの同居親族は納付済み――などを挙げた。
一括して納めることができる特例納付で記録がない場合には、銀行の出金記録や確定申告書、家計簿などを間接資料として例示。周辺事情の例として、特例納付後に未納期間が存在しないことや、社会保険事務所や市町村で近接した時期にほかにも同様の申し立てがあったケースなどを示した。
厚生年金では、保険料納付を推定できる資料として、給与明細や賃金台帳のほか、健康保険や雇用保険の記録を認め、これらがなくても、雇用主の天引きしたとの証言や委託先の社会保険労務士が保管する被保険者台帳などに記載があれば「確からしい」と推定する方針だ。【七井辰男】
本当に「消えた」年金がどれだけあるのかは知らないけど。