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ネパールの“生き神”少女、訪米で神様失格に
[カトマンドゥ 3日 ロイター] ネパールで、「クマリ」と呼ばれる生き神様として崇拝されている10歳の少女が、伝統を無視して米国を訪問し、「神」の地位を失った。
サジャニ・シャクヤは2歳のとき、首都カトマンドゥ近くの古い町バクタプールでクマリに“就任”した。宗教文化が生活に深く根付いているネパールにおいて、彼女はヒンズー教徒にも仏教徒にも崇拝されていた。
しかし、彼女は最近、ネパールの伝統と現代の政治的混乱に迫ったイギリス制作のドキュメンタリーを宣伝するために米国を訪れ、地元の宗教指導者たちを激怒させた。
「彼女が何の許可もなく外国旅行へ行くのは、伝統に反しており、間違っています」と、バクタプールのクマリ伝統を司る団体を代表するジャイ・プラサド・レグミ氏は3日、ロイターに語った。
「これは私たちの伝統において不純です。私たちは新しいクマリを探し、生き神様の座に就かせます」と、レグミ氏は言った。
人口150万人のカトマンドゥ渓谷には数人のクマリがおり、バクタプール・クマリはそのひとりである。なかでも最も重要なクマリは、カトマンドゥのダルバール広場にある15世紀の寺院に住んでいる。
クマリは仏教徒のサキャ氏族の家から厳しい審査によって選ばれる。
彼女たちは初潮を迎えるまで寺院に住み、神に仕える。その後、彼女たちはふたたび家族のもとに戻り、普通の生活を送る。
「私たちはサジャニに毎月の年金を支払うか否か議論しています。これに関しては私たちは前向きです」と、レグミは言った。
引退後の生き神様には、毎月、年金が支払われる。カトマンドゥのクマリはおよそ50ドル(約6000円)、その他のクマリは17ドルだ。
ネパール最高裁判所は昨年、クマリの伝統が子どもの人権侵害にあたるか否かに関する詳細な報告書を提出するよう、政府に命じた。調査は進行中だと関係者は述べている。
この記事はロイター通信社との契約に基づき、エキサイト株式会社が日本語翻訳を行っております。
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