<年金問題>本庁ミスで4000万件不明 本人確認せず入力
約5000万件に上る年金記録の不明問題を巡り、当時の社会保険庁年金保険部が79年以降、変換ソフトなどを使い、厚生年金の被保険者の氏名を漢字から片仮名に置き換えた際、本人から確認せずに勝手に読み仮名を入力していたことが分かった。同庁はこれまで、97年の基礎年金番号導入時の社会保険事務所や自治体の入力ミスが年金記録不明の主な原因などと説明してきたが、本庁でのミスと確認の不徹底が大きな要因となったとの見方が強まっている。
同庁の資料などによると、被保険者記録は以前、国民年金は片仮名で、厚生年金は東京都と沖縄県を除いて漢字で管理していた。1957年からパンチ入力したカードや紙テープが使われ、62年度には磁気テープを導入。この際、漢字は1文字を4けたの数字コードに変換して入力した。同庁は78年までに、厚生年金の被保険者の氏名約5400万件を漢字から数字に置き換えた。
同庁は79年、オンライン化に伴い、処理を早くするために、厚生年金記録の氏名を漢字から片仮名に変更することにした。厚生年金の入力は、各社保事務所から台帳の一部を送らせ、すべて当時の年金保険部業務1、2課(現・同庁社会保険業務センター)で担当。その際、漢字を仮名変換するソフトを使うなどし、数字コードに置き換えられた漢字を変換した。
ところが、このソフトは漢字の一般的な読み方をするため、正しい読みと違うケースも多かったとみられる。しかし同庁は本人に確認せず、相当数がそのまま置き換えられたとみられる。オンライン化が本格実施された86年以降は、社保事務所で入力するシステムになった。87年までに仮名入力された厚生年金記録は8862万件に上った。
社保庁はこれまで、記録の誤りの原因について「(本人の)市町村への届け出の誤り、市町村からのデータの誤り、事業主の届け出など過程ごとのヒューマンエラー発生は否めない」(5月25日の衆院厚労委員会での同庁運営部長答弁)などとし、本庁のミスについては明確にしていなかった。しかし、約5000万件のうち約4000万件に上る厚生年金の不明記録は、仮名変換時の本庁のミスと確認の不徹底が大きな要因となった可能性が高いとみられる。
社保庁総務課などは「漢字を一般的な読み方で仮名にしたという話はあるが、詳しく承知せず、今後の検証の課題だ」と話している。【野倉恵】
職員に言わせると、所詮公務員は上の命令には逆らえない、とこういう事らしい。
個人的にこのやり方おかしいな?と思っていても、上からこのようにやれと言われればそのとおりにするしかない。
更に法の縛りがあって、年金関係の法律が「本人申請」を前提に作られている以上、その範囲内でしか出来る事が無い、と。
社会保険庁のずさんさは論外として、やっぱり一から年金についての考え方を見直すべきかねえ。