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ネットを散歩していて見つけた面白いものをmemo
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社説21本を一気に乗せてみる朝日新聞
提言―日本の新戦略 憲法60年

 日本国憲法は今日、満60年を迎えた。この間、なにかと改憲論の試練にさらされてはきたが、この憲法が日本の民主主義や平和を支える基盤となってきたことは疑いの余地がない。

 憲法記念日は「言論の自由」の記念日でもある。新聞にはかつてその自由を奪われ、あるいは自ら自由を放棄した苦い過去がある。そして朝日新聞にとって今日は、記者が凶弾によって命を奪われて満20年という格別な日でもある。

 そんな日にあたり、私たちは「社説21 提言・日本の新戦略」として、一挙に21本の社説を掲げた。昨年4月から展開してきたシリーズ「新戦略を求めて」の集大成だ。

 新聞を開いた読者は驚かれることだろう。8ページにわたって社説を並べたのは前代未聞の試みだ。新聞がもつ言論の役割を深く自覚したい。そんな決意の表れと受け止めていただきたい。(論説主幹・若宮啓文)

    ×    ×

 「地球貢献国家」をめざそう。

 これが「新戦略」のキーワードだ。

 地球温暖化や人口激増、グローバル化による弊害……。さまざまに迫る地球上の困難に対し、省エネ、環境技術をはじめとする得意技で貢献する。さまざまな国際活動の世話役となって実りを生む。それが、日本の国益にも直結する。

 「戦争放棄」の第9条を持つ日本の憲法は、そのための貴重な資産だ。だから変えない。これも私たちの結論だ。

 ただし、準憲法的な「平和安全保障基本法」を設けて自衛隊をきちんと位置づけ、「専守防衛」「非核」「文民統制」などの大原則を書き込んではどうか。憲法の条文から自衛隊が読み取れないという「溝」を埋めるための工夫である。

 国連主導の平和構築活動には、一般の軍隊とは異なる自衛隊の特性を守りながら、より積極的に加わっていくことも、基本法にうたうのがよい。内戦や飢餓などで破綻(はたん)した国の存在は、テロや戦争だけでなく、麻薬や感染症などの恐怖を広げてしまう。その防止もまた「地球貢献」の重要な一環なのだ。

 以上が「社説21」の柱である。

    ×    ×

 「いったい日本は何を考え、どこへ行こうとしているのか」

 最近、外国でよく聞かれる言葉だ。

 無理もない。例えば小泉政権の時代、首相はアジアとの和解を求める一方で、アジア外交を破壊してまで靖国神社への参拝を繰り返した。いま、外に向けて日本の「自由と民主主義」や「戦後平和外交」に胸を張る安倍首相は、その土台である憲法への誇りは語らずに「改憲」や「戦後レジームの脱却」を掲げる。

 テロとの対決も日米安保の重要さも分かる。だが、イラク戦争の誤りは語らずに「日米同盟強化」を強調するばかり。イラク派遣の自衛隊が一発の弾も撃たなかったことを喜びながら、集団的自衛権で血を流す覚悟を求め、軍隊を持とうという。実に分かりにくい話だ。

 中国やインドが急成長する中で、経済大国ニッポンにはかつての勢いがない。加えて地球の温暖化である。京都議定書の舞台となった日本だが、CO2削減の目標の率先達成にはほど遠い有り様だ。エネルギーや水、食糧は今後も確保できるのか。そうした不安も尽きない。

 間違えば、21世紀の迷路に入り込んでしまう。しかし、日本の知恵と得意技をうまく生かせば、世界の困難を切り開く力になるだろう。私たちが「新戦略」に取り組んだのはそんな思いからだ。

 憲法については、実は朝日新聞も大きな課題を突きつけられていた。

 湾岸戦争、「9・11」、イラク戦争、北朝鮮の核開発……。冷戦終結時の期待は裏切られ、世界には平和を脅かす出来事が重なってきた。国内では改憲が本格的に論じられる。国民の考え方も多様になる中で、とくに第9条をどう考えるのか、改めて問われていたからだ。

 この際、はじめから「護憲」を前提にするのではなく、まずは日本のとるべき針路をさまざまな角度から考えてみる。9条の是非はその上で判断しよう。連載シリーズで「新戦略」を考えてきた裏には、そんな意図もあった。

 その結果が、今日の社説となった。

 憲法と自衛隊や日米安保条約。私たちの先輩も戦後、この関係を真剣に考え、悩み続けてきた。最近では「戦後50年」にあたる95年に社説特集を組み、「非軍事こそ共生の道」と訴えた。そこでは「良心的兵役拒否国家」の考えをとり、自衛隊の役割はあくまで国土防衛に限るとして、国連平和維持活動(PKO)には別組織の派遣を主張した。

 それから12年。世界情勢は大きく変わった。閉じこもる平和から、つくり出す平和へ、国民意識も変化してきた。

 PKOについては、実績の積み重ねも踏まえて02年9月、これを自衛隊の役割にするよう社説で主張を変えた。国連の平和構築を重んじる今日の提言は、その延長上にある。

 だが、日本の特色は「非軍事」にこそあるという点は変わりない。むしろ、とかく軍事にとらわれがちな「国際貢献」の発想を「地球貢献」に広げ、日本の活路を多角的に考えた。社説を多彩に展開した意味はそこにある。

    ×    ×

 今日の提言は論説委員室がまとめましたが、前提となったシリーズ「新戦略を求めて」には各専門分野の編集委員や海外特派員らも大勢参加し、知恵を寄せ合って議論を重ねました。

 この間、内外の識者の意見も広くうかがい、読者の声を参考にさせていただきました。改めてお礼を申し上げます。

 いくら大型連休中でも、社説を一気に読んでほしいとは申しません。少しずつ読んでいただこうと、抜き出して保存できるように組みました。

 さあ、ページをめくってください。

    ◇

 21本の社説は3日午前10時半以降、「新戦略」(http://www.asahi.com/strategy/)のページでご覧になれます

http://www.asahi.com/paper/editorial20070503.html



〈総論〉
* 1.地球貢献国家

〈地球と人間〉
* 2.気候の安全保障
* 3.省エネ社会
* 4.原子力と核
* 5.化石燃料
* 6.食料の安全保障
* 7.アフリカ支援

〈グローバル化とアジア・イスラム〉
* 8.経済のグローバル化
* 9.通貨の安定
* 10.東アジア共同体
* 11.アジア新秩序
* 12.隣の巨人
* 13.イスラムとの付き合い

〈憲法9条と平和・安全保障〉
* 14.日米安保
* 15.自衛隊の海外派遣
* 16.人間の安全保障
* 17.9条の歴史的意義
* 18.9条改正の是非
* 19.自衛隊

〈日本の外交〉
* 20.ソフトパワー
* 21.外交力
http://www.asahi.com/strategy/


総論だけでおなかいっぱいで、全部読めませんでした!!





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    by oneearth | 2007-05-04 20:49
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