<教科書検定>沖縄での集団自決、「日本軍の強制」修正
文部科学省は30日、06年度の教科書検定結果を公表した。対象は主として高校2年生以上が来春から使用する教科書で、日本史に記載された太平洋戦争末期の沖縄での集団自決について、従来認めていた「日本軍の強制」とする記述に初めて検定意見を付け、教科書会社は強制性に関する記述を修正した。文科省は「最近の学説などの状況から、日本軍の命令が明らかとは言い切れない」と説明している。
集団自決は、教科書8冊に記載され、7冊に検定意見が付された。いずれも「日本軍の強制」を趣旨とする部分について、「沖縄戦の実態について誤解するおそれのある表現である」と検定意見が付いた。
例えば、清水書院の日本史Bでは、地上戦となった沖縄戦を「非戦闘員の犠牲者も多かった。なかには日本軍に集団自決を強制された人もいた」と説明。検定意見後に「非戦闘員の犠牲者も多かった。なかには集団自決に追い込まれた人々もいた」と修正し、検定に合格した。
新たな検定意見を付したことについて、文科省は、集団自決を命令したとされる元日本軍少佐が裁判で命令を否定する証言をしていることなどを指摘した上で、「最近の学説には命令を否定する記述もある。片方の通説だけではバランスが取れない」と説明した。
従軍慰安婦問題については、世界史と日本史の教科書11冊に計21カ所の記載があったが、「前回(02年度)と大きな変更点がなく、特に誤解される記述がない」として検定意見は付されなかった。
また、学習指導要領の範囲を超える「発展的な学習内容」は数学、理科、芸術の3教科に記載され、02年度の前回比で161件増の366件になった。全ページに占める割合は3.0%で、前回1.7%から1.3ポイント増加した。検定申請は、普通教科が7教科207点、専門教科が4教科17点の計11教科224点で、生物2の2点以外すべてが合格。不合格を除く普通教科の検定意見数は前回よりも1645件少ない5372件だった。【高山純二】
「歴史曲げずに伝えて」=沖縄の集団自決生き残り男性-教科書検定
「文部科学省には、歴史を曲げるようなことをしてほしくない」。沖縄戦の集団自決で軍の強制があったとする記述に文科省が検定意見を付けたことについて、集団自決の生き残りである中村一男さん(73)=沖縄県座間味村=は30日、こう語った。
座間味島で沖縄戦を体験したのは10歳の時。日本軍から手りゅう弾を渡され「米軍に捕まったら体のあちこちを切り刻んでじわじわ殺される」と聞かされた。「自決しろとはっきり言われたか記憶にないが、暗に自決しろと言っているのと同じだ」と振り返った。別の家族が手りゅう弾で自決するのも見たという。
中村さんは「うやむやにするのでなく、歴史は歴史として後世に伝えなければいけない」と静かに話した。
一方、命令を出したとされる元陸軍少佐梅沢裕さん(90)は同日、大阪市内で取材に応じ「(修正は)とてもうれしい。強制などとんでもない」と興奮気味に話した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070330-00000135-jij-soci
集団自決でなんで生き残ってるんだろうとか、言われた覚えが無いのに強制されたとか、なんだろね、このおじいちゃん。