柳沢厚労相の「産む機械」発言が女性たちの怒りに火を付けて、…
柳沢厚労相の「産む機械」発言が女性たちの怒りに火を付けて、選挙前に、たださえ支持率急落にあせる安倍政権を総毛立たせている
▼三十一日の参院本会議の代表質問でも首相、厚労相が平身低頭で謝罪したが、それで一件落着と考えたなら認識が甘い。「産む場所がない」と女性たちを悩ませている深刻なお産の救急救命医療の現状に、所管大臣が無理解をさらしたからだ
▼先日、福島県の病院で、癒着胎盤を無理にはがして失血死させたとして、医師が刑事責任を問われた裁判の初公判があったばかり。奈良県で十九もの病院をたらい回しされた妊婦が死亡。その後、奈良県や大阪府では産科医確保の見通しが立たない病院が事故を恐れて次々、産科診療の休止に追い込まれた
▼地方ばかりか首都圏でも、都立病院などの中核病院が産科を縮小、 “産む機械(機会?)”どころか「産む場所がない」。それが史上最低出生率1・26の内実だ
▼歴史人口学の鬼頭宏著『人口から読む日本の歴史』(講談社学術文庫)によれば、縄文時代、男女の平均年齢は三十一歳。女性は十五歳から平均余命いっぱいの十六年間にわたって二年に一回の割で出産、八人産んでやっと次代を担う女児一人を得た計算だ。“産まされる痛み”は女性の心の琴線に触れる
▼西部開拓時代の米国でも、多産を強いられた女性の怒りと悲しみが、サンガーさんの産児制限運動となり、女性解放運動に結実する。この国でも「産めよ増やせよ」でつくった息子を戦地に取られたのは、ほんの六十年前のことでしかない。
http://www.tokyo-np.co.jp/hissen/index.shtml
今回の問題と何の関係があるのか、さっぱり分かりません。