日中歴史研究:中国側座長・歩平氏に聞く
【北京・飯田和郎】26日に初会合を開いた日中歴史共同研究の中国側座長、歩平・中国社会科学院近代史研究所長は、毎日新聞の取材に書面で回答を寄せ、「中日関係に重大な影響を与える歴史問題を共に研究し、一定の共通認識を得ることは障害の消去に前向きな役割を果たすだろう」と意欲を示した。主な内容は次の通り。
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歴史共同研究は中日関係発展の新たな段階の始まりだ。両国の歴史問題には二つの重要な原因があった。
まず戦後日本では、ずっと侵略戦争の責任を認めず、事実を否定する言論と行動があった。一部の政治家もそれを支持し、放置した。これは被害国の感情を傷つけるばかりか、日本は侵略国のままであると周囲に思わせた。次に戦争体験や戦後の双方の社会体制などの違いと交流の不十分さが歴史認識の差異と誤解を生んだ。
両国の歴史学者は、互いの関係を壊すような言行を防ぎ、日中共同声明などの基本原則を維持すべきである。自由な討論を通じ、互いの認識を十分に披露し合い、相手の考えを理解し、意識や思考の相違の発生の検討も必要だ。
研究成果は一般国民の歴史認識に影響し、誤解の解消は歴史教科書の編さんにもつながる。両国の2000年余の交流や近代の不幸な歴史、戦後の関係発展に対し、共同研究を行うことは非常に意義がある。
私は以前、中日韓の3カ国の民間の歴史共同研究に参加した経験がある。共通の歴史認識を得ることは困難だということもよく承知している。だが、互いの歴史認識の理解は、関係前進の一歩となる。08年に一定の重要な提起をし歴史教科書編集につながる共通認識を形成したい。
■歩平(ほ・へい)氏 黒竜江省社会科学院副院長などを経て現職。抗日戦争など日中関係史ほか、北東アジアの国際関係史を専門に研究している。政府・共産党の対日政策の立案に影響力があるとされる。
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20061227k0000m010131000c.html
>侵略戦争の責任を認めず、事実を否定する言論と行動があった。
これ否定したら、自由な討論が出来ませんが。