「拉致問題は右翼が扇動」? NYタイムズ紙が誤解生む記事
【ワシントン=山本秀也】米紙ニューヨーク・タイムズ(17日付)は、北朝鮮による日本人拉致問題は日本の右翼勢力にあおられているとの記事を掲載した。「日本の右翼、北朝鮮の拉致問題で狂喜」と題するノリミツ・オオニシ東京支局長の記事で、安倍晋三首相の誕生も拉致問題を利用した結果だと述べ、下がり気味の支持率を浮揚させるため首相は拉致問題に関わり続けると結んでいる。
同記事は、日本政府や拉致被害者の家族らが進める「北朝鮮人権週間」に右翼組織のメンバーが関与していると指摘。拉致問題への理解を訴えたポスターの図柄なども引き合いに出し、北朝鮮への危機感をいたずらにあおる内容だと批判した。
さらに「日本の国外では拉致などとっくの昔に言いふるされた」問題と指摘。日本国内では「民族派の政治家やグループ」の画策でなお連日ニュースで取り上げられているとし、「拉致問題が憲法改正や学校教育での愛国心育成と同じ“右翼好み”の課題になっている」との見方を示した。
記事は、拉致問題をめぐる「より穏健な声」が右翼勢力によって暴力的に封じられているとする一方で、安倍首相は支持率がかげると「政治的な生き残りのため、拉致問題にしがみつくことになるだろう」と述べた。
記事は安倍政権と右翼勢力が一体となって北朝鮮の拉致問題を利用しているとの誤った印象を与える内容だといえる。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/32187/
元記事
(東京=ノリミツ・オオニシ)日本の青年の目を隠している血のように赤い北朝鮮のマップを描いた日本政府のポスターがある。それらは、この国の若者が危険な状態にあることを暗くほのめかし、北朝鮮からの脅威に対して日本人が目を開くよう促している。

このポスターは今週行われたある集会の目だつディスプレイの上にあった。この集会は30年前、北朝鮮によって拉致され、まだそこに捕らえられていると日本が主張する日本人に注意を促すため催された集会だ。
このようなイベントを開くのは一般的にどういう人だろう?家族、その支援者、右翼組織のメンバー?彼らは初参加の特別客を待っていた。総理大臣安倍晋三。群衆に「私達は拉致問題について決して妥協することができない」と安倍は言った。「私は、私の政府がこの問題を最優先課題として取り組むことを誓う。」
日本の外で、はるか昔に拉致はおきたのかもしれない(Outside Japan, the abductions may have played out long ago,) 。北朝鮮の指導者金正日が四年前、この犯罪を認めた後、五人の生存者を戻した。しかし今、この問題はいまだに燃え盛る問題であり、ナショナリストの政治家やグループによって毎日のニュースメディアをにぎわせている。彼らはこの話題で、平和憲法の放棄や学校で愛国心や道徳を教えるなど、彼らの大切なゴールへ向かうのと同じように激しく攻撃している。
これは非常に感情的な問題なので、より穏当な声を沈黙させてきた。彼らは右翼からの身体的な危害や言葉の脅威にさらされている。このたった一つの運動を守ることによって、三ヶ月前、安倍は無名状態から総理大臣にのし上がった。しかし、安倍の人気のあった前任者、小泉純一郎から引き継いだ経済の変化に急ブレーキをかけた安倍は、投票において墜落しはじめた。政治的に残っていくために、彼はたぶん拉致問題にかかわり続ける必要があるだろう。
(中略)
拉致問題の政治的な重要性は、それに挑むことをタブーとし、野党政治家さえためらう。寛大なジャーナリストや学者は私的に拉致問題の作為について詳しく述べるが、ほとんどはあえてコメントを公表しない。「拉致問題は、誰でも、学童でさえ理解することができる」と大阪大学(実際は大阪外国語大)の歴史家研究者、杉田米行は言った。「安倍総理は、一定の政治的なゴールを実行しようとしてこの問題を使っている。北朝鮮は悪く、これに対抗するために、日本が憲法を改訂し、学校で愛国心を教えなければならないと言うことは効果的だ。彼はこの国をこの方向に向けようとしている。これは非常に成功してきた。」
「しかし、それはまた非常に危険でもある」と、この主題についてエッセイを出版した後に、右翼から脅しを受けた杉田は言った。「このような感情の問題になり、そのような方法でナショナリズムをあおったので、それはすでに言論の自由を浸した。」
(後略)
http://www.nytimes.com/2006/12/17/world/asia/17japan.html?_r=1&oref=slogin
自分の家族が拉致されても、同じ事が言えるのだろうか?