盧大統領「大統領職放棄」に言及…脅迫?苦情?
「一言話しましょうか」
28日午前、大統領府の閣議会議室。このように切り出した盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は、意を決したような表情で話し続けた。
「国会で票決を拒否し、また票決を邪魔することは明白に憲法に違反する不法行為で、不当な横暴です。昨日、大統領が憲法裁判所長の任命同意案を撤回したが、それは屈服したのです。現実的に屈服せざるを得ない状況になっていたため大統領が屈服しました」
盧大統領は引き続き「今、大統領が持っている政治的資産は党籍と大統領職の2つだけ」と述べ、党籍及び大統領職を放棄する可能性を示唆した。
「もし、私が党籍を放棄せざるを得ない状況にまで追い込まれれば、任期中に党籍を放棄する4人目の大統領になるでしょう。とても不幸な事だと思います。だから、できるだけそんなことがないように努力しますが、しかしその道しかない場合もあり得ます」
盧大統領はまた「とにかく任期中に職務を円滑に遂行するために、必要であれば、あらゆる妥協と屈服も仕方ないのではないかと思います。ただ任期をすべて終えない最初の大統領にならないことを希望します」と述べた。
盧大統領は同日「屈服」という表現を4回も使った。誰より負けることを嫌がる盧大統領としてはこの事をどれほど恥辱に思えるかが読み取れる。
盧大統領は閣議が終わった後、一部の参謀スタッフに「マスコミも事案に対する法的な評価や是非の判断はさておいて、派閥に分裂させたり、けんかをけしかけるのに汲々としている状況」とマスコミに対する不満も吐露したと「大統領府ブリーフィング」は伝えた。
盧大統領は引き続き「このような非論理的な政界の争いに慣れていない全孝淑(チョン・ヒョスク)指名者に人格的な侮辱を耐え続けてほしいと言えなかった」とし「政界」を非難した。
しかし、盧大統領の同日の発言は前もって緻密に用意されたように見える。盧大統領は「任期中に党籍を放棄する4人目の大統領になるだろう」「任期をすべて終えない最初の大統領」とし、具体的な数値を強調した。
盧大統領の発言に政界が揺れたのもこのような雰囲気と無縁ではない。盧大統領は昨年にも「任期短縮」を掲げながら大連合の政府提案を推し進めたが、当時よりはるかに決行の可能性が高いというのが大方の見方だ。
ある親盧直系議員は「大統領府の参謀スタッフから盧大統領が最近『辞めたい』という話をしばしばするので心配だという話を聞いた」と話した。他の与党圏の関係者は「盧武鉉大統領の性格上、最大・最後の権力である人事権を自由に行使することができなければ、『植物大統領』だと考える可能性がある」と話した。
同日、盧大統領の発言は、野党よりは与党をねらったとの観測が強い。盧大統領は与党ヨルリン・ウリ党の金槿泰(キム・グンテ)議長が25日、「12月9日までに(党と大統領府が)一つになるか、中立内閣に向かうのか結論を出すように」圧迫すると、26日、「与野政の政治交渉会議」提案で対立した。
事実上、ハンナラ党に誘引ボールを投げたわけだが、ハンナラ党の反応は冷淡だった。結局、全孝淑憲法裁判所長候補者の指名を撤回するしかなかった盧大統領が、離党と大統領職の放棄を示唆したとのことだ。
しかし、ある与党圏の人士は「盧大統領は誰より権力への意志が強く、ゲームと逆転の発想にたけている」とし、「すでに何度も離党と大統領職の放棄を示唆したが、任期末まで維持しているではないか。捨てるかのようで捨てない、相手を揺さぶって状況を有利に持っていくのが盧大統領の戦術」と話した。
http://japan.donga.com/srv/service.php3?bicode=050000&biid=2006112996948
【社説】何かあるたびに「辞める」と口にする無責任な大統領
盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は28日、「大統領の政治的資産は党籍と大統領職だけだ。党籍を放棄するのは不幸なことだが、それ以外に方法がない場合もある。任期を全うできない最初の大統領にならなければよいが・・・」と語った。
大統領は先に「国会で採択を拒否して妨害を行うのは不当な対応であり、横暴だ。ところが大統領が(そうした横暴な行為に)屈服し、憲法裁判所長の任命同意案を撤回する事態となった」とした上で、このように語った。
大統領は就任から3カ月後の2003年5月に「大統領はとてもじゃないがやってられない」と語り、その年の10月には「国民の再信任を問いたい」とした。 2004年3月には総選挙で国民に再信任を問いたいと語り、6月には「行政首都計画に進退をかけて臨む」とした。さらに2005年7月に大連立政権を提案し始めた頃からは「任期を短縮することもあり得る」、「権力をまるごと投げ出してもいい」、「小泉首相が首相の地位を賭けて勝負に出るのをうらやましく思う」といった発言を行い、大統領職を返上するという表現を繰り返した。
つまり盧武鉉大統領は、任期1年目から毎年欠かさず「大統領を辞める」という発言を行ってきたことになる。どんなに小さな会社でも、これほど無責任な社長がいるところはない。能力や才能は生まれつきのものだから仕方がないとしても、責任感は学習して身につけるものであり、努力次第で変わっていくものだ。残念なのは、大統領の態度からは最善を尽くすという姿勢がまったく感じられないことだ。
あえて指摘するまでもなく、大統領の政治的資産は党籍や大統領職ではなく、国民からの支持だ。ところが大統領の支持率が、今や一ケタ台(9.9%)にまで低下したという世論調査の結果も出ている(ハンギルリサーチの18日の発表による)。
大統領の権力とは、自分に近い人物を思い通りに要職へ就かせるような法律上の権限ではなく、そうした権限を国民の意思に沿って行使するための民主的リーダーシップを根拠としている。多くの国民は、盧武鉉大統領が憲法裁判所長の任命に際して違憲じみた手法を用いたことを問題視しており、時間はかかったものの任命が撤回されたことについては歓迎する雰囲気だ。ところが大統領は、今回の決定が不当な横暴に屈服したものだという。
無能な指導者や無責任な指導者は国家に不幸をもたらす。能力のなさや責任感のなさはいずれも大きな問題だが、件の人物は無能で、かつ無責任なのだから、その深刻さは言うまでもない。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/11/29/20061129000004.html
ちょっと上手く行かなくなると「辞めればいいんだろ」と言い出す人はどこにでもいますが、
みっともないのは、どの国でも同じ。
ノムたんは、最高の反面教師です。