日韓テレビ局で描く「併合後」
「歴史認識」の溝埋める
1910年の日韓併合後の時代を描き、24日にフジテレビ系で放映されるドラマ「虹を架ける王妃~朝鮮王朝最後の皇太子と方子妃の物語」は、同局と韓国のテレビ局MBCが脚本段階から調整を重ね、「歴史認識」の溝を埋めた。日韓のテレビ局による模索が、続いている。(三ツ木勝己、桜井泉)
朝鮮王朝の皇太子・李垠(イウン)(1897~1970)は10歳で日本に留学。方子(まさこ)(1901~89)は日本の皇族の娘。20年に「『日朝』融和の礎」という美名のもと、日本政府の決定で結婚した。ドラマは2人の夫婦愛を中心に据えている。脚本はマキノノゾミ。
この題材でドラマで扱うのは、日韓で始めて。フジの中島久美子プロデューサーは、障害者福祉に尽力し韓国でも尊敬されている方子の存在を知り、「2人の生き方が、日韓関係の答えになるのではないか」とドラマ化を企画した。
韓国では日本単独制作のドラマの地上波放送はできない。だがインターネットなどですぐ情報は伝わる。台本の初稿から韓国のMBCの協力を得たが、国難の時代を、ラブストーリーとして描くこと自体に疑問の声もあった。「日本で放送するドラマだが、韓国で受け入れられなければ」と中島さんは思ったという。
日本の初代総理大臣であり韓国総監府の初代総監でもある伊藤博文は、できるだけ淡々と描いた。伊藤暗殺や、関東大震災での朝鮮人虐殺、朝鮮の独立運動など歴史問題も織り込んだ。韓国語のセルフも多い。
現地収録に協力したMBCプロデューサーの李承俊(イスンジュン)さんは、「両国民が拒否感なく見られるドラマをどうつくるかを考えた」という。歴史考証については、韓国の専門家の意見を聞き、神経を使った。
「台本には、日韓の和解と協力という姿勢が貫かれていた。フジ側も、歴史認識について耳を傾けてくれた。バランス感覚があるいい作品になった」と語る。
2人を取り上げたことについても、「韓国では忘れ去られた人物で、フジが発掘した」と評価している。
「現代もの」では、TBSとMBCが02年に合作した「フレンズ」がある。恋を育むなかで日韓の若者が両国を知る。両国でほぼ同時期に放送し、韓国の地上波で初めて100分以上も日本語が流れたドラマだ。
当時TBSで企画を総括した貴島誠一郎さんは「恋愛は身分や国籍を越えられる」と考えたが、MBCの上層部からは、歴史をもっと入れてほしいと言われたという。「歴史認識がない日本人と、あるから避けて通れない韓国人。歴史や政治という理屈で解決できないものを、文化なら超えられる」と語る。
いま、1895年に朝鮮国駐在特命全権公使・三浦梧楼が指揮した明成皇后暗殺事件を題材にした韓国のドキュメンタリー番組(05年)が、日本での放送を願い、再編集されつつある。制作した元KBS放送勤務で現在はドキュソウルの鄭秀雄(チョンスウン)プロデューサーは「この事件は日韓関係がおかしくなった原点だが、日本ではあまり知られていない。なぜ暗殺したのかをニュートラルに語りたかった」と話し、こう続けた。
「これまでの日中韓の歴史観は縦割り。それを横に貫きたい。アジアは連動しているのだから」
http://www.asahi.com/culture/tv_radio/TKY200611210223.html
朝日新聞 【文化総合】2006年11月21日(火曜日)付
今朝、朝日を読んだ時、これは絶対エントリーしようと思った記事。
愛で歴史認識も超えるとか、混血で友好をとか、こういう考えには反吐がでる。
方子さんについてはもっと注目されて良い人だと思うものの、それを道具に使うならばきっと叩きまくるだろう。
ところで、明成皇后暗殺事件のドキュメンタリーとは以前私が韓国旅行中に放送を見て、ムカつきまくったあれでしょうか。
韓国レポート1:閔妃暗殺ドキュメンタリー番組にむかついた件
NHKで放送すると予告しながら、結局放送されなかったあれでしょうか。
韓国で見てむかついた閔妃暗殺ドキュメンタリーがNHKで放送されるらしい。
なんで再編集しているんですか。
先にネタばれしちゃったからですか。
ぜひ皆さんにもあのムカつきを分け合ってほしいので、韓国版そのままを放送してください。