先日ちょっと突っ込みが入りましたが、著作権について間違えて認識している人が多いと思われるので、基本知識を書いておこうと思います。
本当に基本だけ、ね。
著作権法第1条より
(目的)第1条 この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。
http://www.houko.com/00/01/S45/048.HTM#s1
自分の作ったものが他人に勝手に使われたら創作意欲がなくなってしまう。
だから、ある程度著者の権利を保護しようというのが著作権。
文化の発展の為に保護というのが目的の権利なんですね。
ネットでもよく著作権を指摘する人がいるけれど、権利の乱用をしている場合も多いと思う。
で、著作権で保護されているのは?
まず著作権は無名、有名とわず創作されたものすべてに発生する。
三歳児が書いた落書きにだって著作権はあるのだ。
この権利には
著作者人格権と
財産権の2つがあって、よく譲渡されたり売られたりしているのが財産権。おおざっぱにいえば、著作物から発生する利益を誰が取るかという話。
もう一つの権利、
著作者人格権とは、作った人は誰か?という話。
これは他人に譲渡することは出来ない。
そりゃあそうだよな。その人が作ったと言う事実は変えられないのだから。
盗用はダメというのはそう言う話。
他人の著作物を、自分の著作物であるかのように装ってはいけない。
例えば。
「のだめカンタービレ」というマンガがあるけれど、その著作権は筆者の二ノ宮知子氏にある。
今ちょうどドラマ化されているけれど、ドラマの製作者は別の人でも「のだめ」の著者は二ノ宮氏。
同人誌でのだめ本を作っても、「のだめ」の著者はやっぱり二ノ宮氏。
二ノ宮のアシスタントが沢山のコマを書いていたとしても、やっぱり「のだめ」の著者は二ノ宮氏。
著者が変更出来ないのだから、著者が持つ権利も譲渡できない。
実名で公表するかPNを使うかとか、そもそも公表するかどうかとか。
勝手に作品を変えるな!ってのも著作者人格権。
財産権の方は、商用利用とかを言う。
こちらは譲渡できるので、売買されたりしています。
ブログなんかでアフェリが問題になったりするのはこの為。
他人の作ったもので許可無く商売してはいけない。
とまあこんな感じで誰の書いた物であれ権利が発生し保護されているわけですが、そもそも文化の発展の為に保護されている権利なので、個人での使用は認められています。
例えば家族や友人にコピーして渡すとか。
とはいえいくら個人使用OKでも
HPやブログに他人の作品をUPするのはアウト。
アニメやマンガのキャラを自分なりに描いたものをupするのはギリギリOK…?
ただ、著者には
同一性保持権(作品を勝手に変更されない権利)があるので、同人誌とか、どうなるんだろ。グレーゾーンだと言う人もいますが、思いっきりアウトっぽい。
もっとも同人誌制作が作品の人気を支えている部分もあるので、訴えられる事が無いのだと聞いています。
それから、評論する為に引用するのも許される。
但し、引用の際には著作者が分かるようにしなければならない。これ基本。
引用した部分の著作権は引用先にある。これも常識。
引用の範囲とかはグレーゾーンが多いので詳い事はパス。
業者ならともかく、個人の使用なら基本を抑えておけばOKでしょう。
散歩道でやっているのがこれですね。
この辺りは許可とか要らない。
あと無断リンク不可とか書いてあるサイトがありますが、ネットに公開したものはその特性上リンクを防ぐ意味が無いのですが、あれ何をやってるんでしょう。
ネットで必要になる著作権知識はこんなものでしょうか。
これ以上詳しく知りたいと言う人は自分で調べていただくとして、大体このぐらいを知っておけば大丈夫なのではないかな、と。
ところで。
実際はネットでの著作権の行使は現実的では無いのかも。
掲示坂みたいな場所でのカキコ等は団体が著者となって、
行使には全員で行う必要があるし、そもそも著作権行使には実名が必要のはずで。(このメンドクサイのを回避する為に2chでは、書き込みの著作権の委譲させています。)
実際には行使の難しい権利の為に、杓子定規で表現の自由を制限するのもどうなのかなあ。
こういうのもマナーの範囲で守る事が出来ればいいんじゃ無いかと思います。