韓国の潘氏抜け出した 次の国連事務総長選、今月大詰め 国連では今月、年末で任期が切れるアナン事務総長の後任選びが本番を迎える。安全保障理事会で行われている予備投票では、韓国の潘基文(パン・ギムン)外交通商相が優位に立つ。事務総長選びがここに来て加速するのは、イラク問題で苦境にある米国が、「国連たたき」から早期選出へ立場を変えつつあるからだ。焦点は常任理事国が足並みをそろえるかどうか。事務総長選には繰り返し拒否権が行使された過去があり予断を許さない。(ニューヨーク=池田伸壹)
●予備投票でライバル次々脱落 最後に難関「拒否権」
「事務総長選出手続きは、重要な決定に近づいている」
米国のボルトン大使は29日、スリランカのダナパラ元国連軍縮局長が立候補を取り下げるとの知らせを聞き、記者団にこう話した。
国連事務総長の人選をするのは安保理だ。各国政府の推薦を受けた候補者から15の理事国が投票で1人に絞り、国連総会が任命する。
安保理の議決には9カ国以上の賛成が必要になる。安保理では、7月から非公式な予備投票が3回行われたが、最新の28日の投票では基準をクリアしたのは支持13票の潘氏1人だけになった。
予備投票は本番の投票に先立つ一種の人気投票だ。候補には、これまで7人が名乗りを上げた。投票では、理事国が一人ひとりに対し、「支持」「不支持」「どちらともいえない」のいずれかを投じていく。9月14日の前回10票あったインドのタルール国連事務次長の支持票は、28日の投票で8票に。9票だったタイのスラキアット前副首相の支持票は母国のクーデターが災いし、5票に落ち込んだ。
潘氏は外交官出身で、穏やかな人柄は国連でもよく知られている。しかし、最近は「意地悪質問」を受けるようにもなった。9月末、米国メディアから「あなたは事務総長には弱すぎるのでは」と聞かれ、「内なる強さを秘めている。アジアでは謙虚さに価値を置くので、理解されにくいかも知れないが」などとかわした。
潘氏には「気になる1票」がある。予備投票で毎回自らに1票ずつ投じられる「不支持」票だ。この1票が常任理事国が投じたものであれば、事態は暗転する。事務総長選びでも米、英、仏、ロ、中の5常任理事国が拒否権を持つからだ。
不支持の1票はどこの国なのか。国連外交官の間では今、その話題で持ちきりだ。欧米の記者らは歴史、竹島問題で対韓関係が悪化した非常任理事国日本にも「疑いの目」を向ける。日本は10月、安保理議長国になる。外交官は「痛くもない腹を探られる」とうんざりした表情を見せる。
2日に予定される次回予備投票では、初めて常任理事国が非常任理事国とは異なる色の用紙を使う。常任理事国が支持で一致していることが分かれば、大きな前進だ。
●イラク問題苦境で国連回帰 早期決着望む米 ボルトン米大使は27日、「意中の候補」について「当然決まっている」と明言した。米国務省のヒル次官補は「我々は潘氏の考えを非常によく理解している」。
2人の発言は、安保理の外交官らに「前向きのサイン」と受け取られた。
7人の候補のうち6人がアジアに集中しているのは、事務総長選出に地域輪番制の慣習があるからだ。アジアからの選出が実現すれば、61~71年のウ・タント事務総長(ビルマ)以来2人目。
今年初め、ボルトン氏はこの輪番制の慣習に声高に異議を唱えていた。米国は自国と関係の深い東欧国から選出を狙うのでは、とも見られていた。
しかし、非常任理事国の大使の一人は「米国は今、早期選出にこだわり、各国にプレッシャーをかけている」と話す。
11月の中間選挙を前に、ブッシュ政権は泥沼化するイラク問題をめぐって国内で守勢に立たされている。
「米国は静かに国連政策の軸足を移している」との指摘も。イラク情勢でのしかかる負担に、米軍中心の「多国籍軍」や「有志連合」型の問題解決は色あせ、国連中心の枠組み重視に傾きつつある、との見方だ。
ある国連政治局幹部は「米国は拒否権行使合戦で選出が宙に浮くのを避けるため、早い段階で合意が得られる候補を求めている」とみる。
中国は、王光亜大使が予備投票の間は「すべてのアジアの候補に支持票を入れ続ける」と明言している。アジアで唯一の常任理事国として「アジアからの選出」にはこだわるが、絞り込みに手を染めれば、断念に追い込まれる国の恨みを買う。動きは取りにくい。
●日本、支持の方針
日本政府は国連事務総長選では、韓国の潘基文(パンギムン)外交通商相を支持する方向だ。麻生外相は29日の記者会見で「日韓首脳会談が仮にできたら、そこで言うのもいい」と語り、事実上の潘氏支持を打ち出した。
これまで政府は「アジアからの選出が望ましい」としながらも、潘氏への支持表明は先送りしてきた。アジアではインドやタイなどにも候補者がいることや、小泉前首相の靖国神社参拝で冷え込んだ韓国との関係改善に向けた「外交カード」にしたいとの思惑があった。
だが、潘氏当確の流れができつつあり、カードを温存する意味は薄れつつある。また、韓国は昨年、日独など4カ国(G4)による安保理改革案の提案に反対しており、「支持表明の見返りに、日本の常任理事国入りへの理解も得たい」(外務省筋)との思いもある。
http://www.asahi.com/paper/front.html
金で票を買う人が、穏やかな人格とは思えないのですが。
やっぱりこういう事を報道してくれるのは産経ぐらいなもんだよなー。
国連事務総長選、韓国リードに“札束攻撃” 英紙報道
アナン国連事務総長の後継レースで、29日付の英紙タイムズは、韓国の潘基文外交通商相がトップを走る背景として、韓国側が安全保障理事会理事国などに巨額の援助キャンペーンを展開していると報じた。それによると、国連事務総長の選出では援助キャンペーンが重要で、特に韓国は「攻撃的」。これまでにアフリカ諸国への援助を2008年までに3倍の1億ドル(約118億円)に増額すると表明したほか、安保理メンバーのタンザニアには大型プロジェクトを約束した。
後継レースでインド出身のタルール国連広報局長が非公式投票で2位につけており、インド各紙は30日、タイムズ紙の記事を一斉に報道。韓国の“金権キャンペーン”への反発が国際的に強まり「タルール氏に逆転の望みが出てくるかもしれない」と指摘した。
ロンドンの韓国大使館は「援助は事務総長レースのためではない。(タイムズ紙の記事は)事実が反映されていない」と話している。(共同)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/21470/
それにしても、↓のどこが「支持」に受け取れるのだろう。
>麻生外相は29日の記者会見で「日韓首脳会談が仮にできたら、そこで言うのもいい」と語り、事実上の潘氏支持を打ち出した。
中央日報は思いっきり釣られてるし。
「日本、韓日首脳会談で潘基文候補支持を表明」
日本政府が次期国連事務総長選挙で韓国の潘基文(パン・キムン)外交通商部(外交部)長官を支持する見通しだと、朝日新聞が1日報じた。
まだ政府レベルの明確な立場表明はないが、最近、支持する方向へ動いているというのが、外交関係者らの分析だ。
麻生太郎外相は先月29日の記者会見で、潘長官を日本政府が支持するかどうかを尋ねる質問に対し、「韓日首脳会談が仮にできれば、そこで言うのもいい」と答えた。 これに関し朝日新聞は「事実上、支持する意思を表した発言」と解釈した。
日本政府は今まで「次期総長はアジアから選出されるのが望ましい」という原則論だけを繰り返し強調してきた。
政府内では潘長官に対する支持・反対の両論があった。 反対論者は「昨年、日本が国連安全保障理事会常任理事国入りを推進する際、韓国が中国とともに反対した」という点を挙げ、「日本が韓国を支持する必要はない」と主張した。
また靖国神社参拝などで韓日関係が冷え込んだ状態で、潘長官支持を‘外交カード’として活用すべきだという主張もあった。
朝日新聞はこれに関し、最近の予備投票などで潘長官が先頭を走り‘外交カード’としての意味が弱まっているが、「日本が潘長官支持を表明する見返りに常任理事国入りへの了解を得なければならない」という主張も出てきている、と報じた。
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=80399&servcode=200§code=200
いや、朝日に勝手に解釈して貰っても。