駐米公使、米教授の日本非難に反論

駐米公使、米教授の日本非難に反論　日中歴史問題

　【ワシントン＝古森義久】米国の左派学者が日中の歴史問題は日本に非があるとし、米国は対日同盟を強化すべきではない、などと米紙への寄稿で主張したのに対し、在米日本大使館公使が一方的な見解だとして反論する寄稿がこのほど別の米紙に掲載された。
　同大使館の北野充公使が書いた「和解は相互通行」と題する論文は、ニューヨーク・タイムズ社が発行するインターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙２２日付に掲載された。同論文はプリンストン大学教授で左派リベラル系のアジア研究学者のジョン・アイケンベリー教授がワシントン・ポスト８月１７日付に載せた「日本の歴史問題」と題する寄稿に対し全面的に批判し、反論している。
　アイケンベリー論文の「日本は中韓両国での日本の軍国主義の過去に対する疑惑や苦情を解消できず、国際的に孤立した」という主張に対し、北野論文は「もし一方が満足でなければ、他方が悪いとする、つまり中韓両国が苦情を言う限り、日本が悪いとする誤った考えだ」として、中国などが日本を劣勢に保つために「歴史問題」を利用する側面を強調した。
　アイケンベリー論文が小泉首相の靖国参拝について「中国などの日本の侵略を想起させ、一般の抗議を引き起こす」と非難したのに対し、北野論文は「首相は参拝のたびに軍国主義の過去を正当化することを否定し、不戦を誓っている」と述べ、「日本は民主主義と人権の擁護に揺らぎがない」と反論した。
　アイケンベリー論文が日本が「歴史上の和解」を達成していないため、米国は日本を「普通の国」として、より強固な同盟相手にすることは好ましくないとして「日米同盟の将来も再考すべきだ」と重大な提案をしたのに対し、北野論文は「過去数十年にわたり日米両国は同盟国同士としてアジア太平洋地域の平和や安定、繁栄の達成に協力してきた価値を無視して、単に日本の隣接諸国の気分を害さないために同盟の将来を再考するというのは、ばかげた主張だ」と反論した。
　北野論文はさらに戦後の日本の歴代政府が中国などに数え切れないほど謝罪してきた事実を指摘し、「歴史上の和解では一方が謝罪すれば、他方がその謝罪を受け入れねばならない。一方的な行動ではないのだ」と述べ、中国などが日本の謝罪を受け入れる気がないことを強調した。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/20975/

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