佐山教授の大冒険
1日夕刻、安倍晋三氏の出馬会見を各局が中継したが、民放は会見途中で次々離脱。NHKも他候補会見のVTR放送に切り替えた。5年前の小泉首相の「靖国参拝公約」は出馬会見最後の質疑で飛び出した。安倍会見も勝手に編集せず、質疑を含め完全中継するのが公共放送の責務であろう。
この日各局は、安倍氏を番組に招いて、執拗(しつよう)かつ意図的な質問を浴びせた。中でも「報道ステーション」(テレビ朝日系)の佐山展生コメンテーター(一橋大学教授)には呆(あき)れた。
「企業買収(M&A)や企業環境の分析に詳しい」佐山教授は専門外の「自衛隊の武器使用拡大」を訳知り顔で質し、友軍を「助けるということは相手を攻撃するということですね」「攻撃するということは相手を殺すということですね」「絶対にだめだ。相手を殺すということはその国の人が死ぬ。恨みの連鎖に、泥沼に入っていく」と捲(まく)し立てた。
安倍氏が「日本が襲われたときに守ってくれる人達を助けない。本当にそれでいいのか。真面目に考えなければならない」と説明しても「真面目に考えて、やるべきじゃない」と聞く耳持たず。安倍氏は「そこは私と考え方が違います」と応じるしか術がなかった。
佐山説を奉じ、友軍を助けず見殺しにすればどうなるか。もちろん、その国の軍人が死ぬ。その国民はどう感じるだろうか。自分しか守らない“佐山共和国”に対する国際社会の「恨みの連鎖」は想像に難くない。
最後に古舘キャスターが安倍氏に「これに懲りずにお越しください」「ホントにまた来てください」と纏(まと)めていたが、ならば招く側も、最低限の見識と礼節を知るべきであろう。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/18185/
どっちを殺すかといわれたら、迷い無く「敵」と答えるな。