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[オーマイニュース]市民ジャーナリズムの可能性はあるか?
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オーマイニュースと著名ブロガーが「市民ジャーナリズムの可能性」を討論
市民記者のアイデンティティを保証できれば「実名にこだわる必要はない」
「ブロガー×オーマイニュース『市民メディアの可能性』」と題するシンポジウムが2日、早稲田大学で開催された。「オーマイニュース(日本版)」編集長の鳥越俊太郎氏をはじめとする編集局スタッフと著名ブロガーが、実名に基づく市民ジャーナリズムの可能性について討論した。
パネリストは、オーマイニュースから鳥越氏のほか、編集委員の佐々木俊尚氏、編集次長の平野日出木氏、記者兼編集者の中台達也氏が参加。ブロガーからは、ブログ「ガ島通信」の藤代裕之氏、「小鳥ピヨピヨ」の運営者で2005年にアルファブロガーに選ばれたいちる氏、毎日新聞東京本社編集局次長でブログ「竹橋発」を運営する磯野彰彦氏、駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部助教授でブログ「H-Yamaguchi.net」を運営する山口浩氏がパネリストとして参加した。
会場には70人を超える参加者が集まり、午後1時から3時間以上にわたり熱のこもった議論を展開。オーマイニュースに対する厳しい意見が寄せられたが、日本でオーマイニュースが成功するための建設的な議論が繰り広げられた。
● オーマイニュースの現状に厳しい意見が続出
シンポジウムは、「ブロガーはオーマイニュースをどうとらえているのか」という議題で幕が開き、辛辣な意見が相次いだ。
まず、「ネット版の『週刊金曜日』が出たなという印象。今では、2ちゃんねらーの遊び場になっている。何が書いてあるかはどうでもいい。読み手としては、有名なブログを読んでいた方がまし」と藤代氏。さらに、山口氏も「市民が書くニュースとしてスタートしたが、これらは書き手の論理。読み手にとっては価値じゃない」と続いた。
磯野氏は、毎日新聞記者からの視点として、「他のメディアで読めない記事がどれだけ掲載されているかがポイント」と指摘。編集局の記事にはいくつか該当するものはあったが、「市民記者の記事には新鮮さが見られない」と評価を下した。
オーマイニュースの編集委員を務める佐々木氏は、「編集局は、市民記者の原稿を編集して掲載している。その一方で、2ちゃんねるやブログなど、編集がないメディアがある。現在は、双方がオーマイニュース上で衝突し、コメント欄が“炎上”している状態」と説明。ただし、良質な記事については評価されているほか、きちんとした批判も投稿されていることから、「コメント欄はネット世論を象徴している」という。
一方で佐々木氏は、編集局に対しては「はてなブックマークを知らなかったり、mixiやブログもやっていない。ネットリテラシーが低い」と苦言を呈す。そうした編集局員がコメント欄に書かれた内容を見て、「やっぱり2ちゃんねらーはだめだ」と十把一絡げに判断せずに受け止められるかが問われているとした。
● 「2ちゃんねるはゴミため」は真意ではないが、ブログ炎上には驚き
オーマイニュースの平野氏によれば、市民記者の投稿記事は初日で70本、2日目以降も毎日50~60本が寄せられているという。「ブロガーやメディアの反応をよそに、多くの投稿が集まっている。とりあえず、期待をしてくれている人がいると受け止めている」。
鳥越氏は「オーマイニュースは創刊してまだ1週間足らず。現時点では幼稚園児みたいなもの。人は、幼稚園児に対して『おまえはだめだ』とは言わないでしょう。よちよち歩きながらも、自由な言論のプラットフォームを作りたい」との考えを示した。
この鳥越氏の発言に対し、佐々木氏は「幼稚園児は小泉批判をしないはずだが、なぜ創刊早々にイデオロギッシュな記事が出たのか。創刊前には、格差社会やワーキングプアの話題を取材すべきと言ったのに」と反論。すると鳥越氏が「言うだけじゃなくて、取材してよ」と言い返し、会場が笑いに包まれる一幕もあった。なお、鳥越氏の「幼稚園児」発言については、中台氏が「Webは一度見て面白くなかったら再び見ない。そういう意味で、鳥越さんの発言に、疑問を感じる」との意見を示した。
また、過去のインタビューで鳥越氏が、2ちゃんねるを「ゴミため」と述べたことで、オーマイニュースの「開店準備ブログ」が“炎上”したことについて質問が寄せられた。鳥越氏は、「インタビューでは『一部の2ちゃんねる』と言ったが、真意が伝わらなかった」と弁解。「そこまでヒステリックに反応するとは思わなかった」という心情を明かした。
これについて、山口氏は「2ちゃんねらーのすべてがオーマイニュースに反発しているわけでなく、中立的な人や良心的な人もいる。ブロガーや2ちゃんねらーは、オーマイニュースの記者や読者となる人たちでもある。しかし、(鳥越氏が)ブログや2ちゃんねるをひとくくりで批判してしまったことで、良心的な人たちを敵に回してしまったのはまずい」と述べた。
● 編集部は「中立」でも、編集局員が無意識に“空気”を醸成している
編集委員の佐々木氏は、オーマイニュースの「開店準備ブログ」において、「編集局員の記事に左翼的な傾向が見られる」と記し、「政治的・思想的に中立を掲げる以上は、オーマイニュースの立ち位置を明らかにすべき」といった内容のエントリを投稿している。佐々木氏によれば、「中立性をより戻すためにあえて対立軸となるエントリを投げかけた」という。
しかし、「いざ創刊してみたら、案の定、偏りがあった」(佐々木氏)。創刊会見で「意見に偏りがあるのでは?」という質問を受けた鳥越氏が「記者個人個人としては意見があるが、編集部としては中立」と回答したことを挙げ、「ネットメディアは場であり、そこがどういう空気になるのかは、その場にいる編集局員によって自然に醸成される。そのあたりの空気感を大切にして欲しい」と要望を伝えた。
オーマイニュースの編集方針を擁護する声も見られた。「ゆるやかな編集方針で、右も左もないと思う」と語る磯野氏は、オーマイニュースがコメントを(原則として)すべて掲載する方針は正しいとし、「不愉快なメントもあるが、よほどひどいものでない限り全部掲載することで、次の段階に進むものがある」と述べた。
一方いちる氏は、「コメント欄で罵詈雑言が放置されることで、オーマイニュースに初めて訪れる人に、悪影響を及ぼすのではないか」と懸念する。コメント欄を廃止するかわりとして、YouTubeで人気のレスポンス機能(動画への返信として自分の動画を登録する機能)を参考にした手法を提案した。
具体的には、オーマイニュース上の記事に対して、記事として返信する、いわばサイト内トラックバックだ。サイト内トラックバックを送信するのは、市民記者登録した人に限定されることから、「ある程度意味のある批判に発展するのでは」との見方を示す。
コメント欄を残す場合については、自分がゲスト編集長を務めるブログ「Gizmodo Japan」で実践しているように、その日のベストコメントをピックアップし続けることで、ある程度コメントの質が上がるかもしれないという。
● 市民記者のファクト投稿は困難、論評もブロガーの方が上
いちる氏は、「オーマイニュースには、記事ではないオピニオンが多い。意見が百花繚乱するのは、2ちゃんねるやブログ。オーマイニュースに期待するのは、300~500字くらいの短いファクト(出来事)だけ」と提案した。
鳥越氏は、「議論が生まれるために、オピニオンは必要」としつつも、「現場に行って取材してファクトを伝えるのがオーマイニュースの命。他のメディアにないファクトを伝えて、毎日、朝日、読売に転電してもらえればいい」と賛同した。
さらに鳥越氏は、市民記者には、自らの体験談を送ってほしいと要望する。例えば、市民記者が病院で点滴を受けたが注射が入らないといった体験談を投稿すれば、他の記者も反応する。これにより、日本の医療現場における点滴はどうなっているか、といった問題を議論できるとした。
ただし、「現状では、市民記者も何を書いていいかわからないかもしれない」とも分析。編集局と試行錯誤しながらコミュニケーションする中で、お互い成長していきたいと語った。
市民記者がファクトだけの記事を投稿できるかという点については、佐々木氏が「ファクトは、組織ジャーナリズムでないと入手するのが難しい。4 万人の市民記者を抱える韓国のオーマイニュースは、スケールメリットで情報収集できるようになったが、日本では心許ない」との見解を示した。
また、市民記者の記事には「ファクトと、ファクトに対する論評の2種類がある」という持論を展開。「ファクトに対する論評は、ブロガーの最大の武器。アルファブロガーと呼ばれるような人は、ブログが“炎上”しても自ら立て直して、議論だけのガチンコ勝負を繰り返してきた。そういった人たちに、市民記者に登録した田舎のおじちゃんは太刀打ちできない」との強調した。
● 気軽に記事を書けるのがメリット、市民を生かすならオピニオンを募集すべき
一方、平野氏は「自分は、ブログを続けられなかった。今のブログは、エリートだけが続けられるもの」と反論。意見は持っていても毎日ブログを書き続けられないという人でも、オーマイニュースという場があれば、意見を伝えられると述べた。
この発言に対しては、山口氏が「ブログのハードルが高くて、そこまで到達しない人が市民記者になるというのは、読者に対して失礼」と指摘。佐々木氏も「メディアが多様化した結果、1日にそれらを楽しめる時間は限られている。その中でオーマイニュースが誰からも読まれなければ意味がない」と、記事のクオリティの重要性を訴えた。
なお、会場からは「パネリストの方々がブロガー代表とは思っていない。あたかも、ブロガーという組織があるような発言に聞こえるが、オーマイニュースを教育しているようでおかしい。ブロガーには統一した見解があるわけではなく、『ブログリテラシーが低い』と発言した鳥越さんに乗っかっている」と批判する意見も出た。
読者のために記事のクオリティを上げるということについて、いちる氏は「職業記者ならわかるが、市民記者レベルなら気にしなくていい」という意見を持つ。「気軽に大量に記事を書けるのがインターネットだと思う。市民記者への敷居を高くせず、オーマイニュースがスケールメリットを発揮できるようにすべき」。
一方、山口氏は「ファクトは市民から出てこないのでは」と疑問を呈し、市民を生かすならば、市民のオピニオンを募集すべきだと語る。「一人一人の意見は価値がないが、それが大量に集まれば、市民メディアとしての価値が出てくる」。ただし、市民のオピニオンの問題点として、山口氏はオーマイニュースに掲載されている記事が、政治的・思想的に偏っていることを懸念する。
「今いる市民記者を『左より』とするなら、『右より』の人を呼び込んで議論する場が作れないか。『朝まで生テレビ』は、出演者がどなりあって、結局時間切れになるが、それはプロが議論に負けると社会生命を失うから。その点、素人は論破されても失うモノはないので、徹底した議論が成り立つ。そういう意味では、右よりの編集委員に入ってもらうのもいいと思う」(山口氏)
● オーマイニュース側も「実名にこだわる必要はない」
市民記者が書く記事の内容については意見が分かれるものの、市民記者を多く集めるのが重要ということについては、ブロガーとオーマイニュースの双方で同意が見られた。それを実現するためには、「実名にこだわる必要はないのでは」という声が多かった。
オーマイニュースでは、「実名による参加」という理念を掲げている。これについて、いちる氏は、「記者のアイデンティティを保証できれば、実名にこだわらずニックネームでいいのでは」という意見を投げかけた。
この意見に関しては、オーマイニュース側からも「実名に意味があるのか、ということについては、形式的な実名は意味がないと思う。顔が見えることを担保するものが、実名ではなくてもよい」(中台氏)、「実名は究極の目標ではなく、もっと柔軟に対応することも考えている」(平野氏)というように、実名にこだわらない姿勢が伺えた。
磯野氏は、ニックネームによる市民記者登録が可能となることで、市民記者の数が増えると「既存マスコミに取り上げられないニュースが、オーマイニュースで掲載されることが増える」とコメント。「商売敵としてこんなに手強い相手はいない。自分の氏素性を証さなければ書けるという人もいることを考えると、実名にそこまでこだわらなくていい」。
● 安直に平和を語る原稿には「釣りかもしれない」と用心するようになった
会場からの質疑応答では、「livedoorニュース」のパブリックジャーナリスト(PJ)や、「JANJAN」など既存のパブリックジャーナリズムとの違いに関する質問が寄せられた。
この質問について平野氏は、「JANJANは、政治的なイシューを重視しているように感じだが、我々は政治的イシューばかりでなく、もっと身近な、体験に根ざしたもの。livedoorニュースは、韓国で流行っているプラットフォームを採用したが、マスコミ嗜好が強いと推測する。僕らは、マスコミと同じようなニュースを追うつもりではないし、マスコミでは追い切れないところをフォローしたい」とした。PJやJANJANなどの成功面と失敗面の検証については、鳥越氏が「見たことはないのですみません」と答える一幕も見られた。
また、創刊当日にトップアクセスとなった記事で、2ちゃんねらーが書いたと噂されるものについては、「オーマイニュースが釣られてしまった。(この記者は)我々を楽しませてくれたということで、編集局員の頭の中にテイクノートされた」(平野氏)。また、「我々が、『左翼的な言論に甘い』ということをおびき出そうとしているんだなあと自覚した。その後は、安直に平和を語る原稿は、釣りかもしれないと用心する意思統一が図られたことが有意義だった」という。
そのほか、会場からは「鳥越編集長はネットに弱いと思うのだが、思い切って若い者に任してみてはどうか」という質問も飛び出した。これに対して鳥越氏は、「編集部全員から引退しろと言われればいつでも引退する。しかし、新しいことをやることに好奇心の虫がうずく。オーマイニュースをやってみていろんな意見があるが、これがインターネットの面白さ。なかなか、簡単に引退はできないなあ」とコメントすると、会場から拍手がわき起こった。
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2006/09/04/13182.html
鳥越が燃料投下をしています。
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