★「自信」探したネット右翼

・「日本人の心はすさんでいる。子が親を殺し、親が子を殺す。むしろ戦争中の方が、 命の大切さを感じる豊かさがあったのではないですか」
街宣車上から絶叫調の声が響き渡る。
名古屋市郊外の駅前。「民族派愛国」をうたう地元団体の街宣車上は40度を越す。
濃紺の戦闘服姿の「塾生」たち。マイクを持つ山下大輔さん(23)だけが黒のシャツに黒ズボン姿だ。30分間の演説。足を止めたのは4人だった。
昨春、大学を卒業し、印刷会社に就職した。3年前から月1回、街宣車で演説する。
「片足は普通の社会に置いておくことで、客観的に見る目を残したい」から、塾生にはならず、距離を保つ。
愛国心を論じるサイトをネット上で運営。4年半で21万件を超すアクセスがあった。
中学時代までは、日本が嫌いだった。授業で「原爆は、日本が戦争を起こしたから落とされた」と教わった。恥ずかしい国に生まれたと思った。
高校生の時に漫画家、小林よしのり氏の「戦争論」を読む。漫画でなければ手に取らなかった。「戦争は『悪』ではない」の主張に衝撃を受け、生まれた国が初めて誇らしく思えた。国に自信を持つことで、自分まで自信がもてるような感覚。
図書館で同種の本を探し、読みふけった。
98年出版の「戦争論」は3部まで計約180万部売れた。この時代、インターネットの利用者も爆発的に増加。若者たちが、自らの主張を不特定多数の社会に発信する手段を得た。愛国や反中国、反韓国を訴える書き込みが激増し、「ネット右翼」の言葉も生む。社会学者の鈴木謙介さんは「不況で雇用不安の中、若者が不安定な自己を守るために排他性を高め、普及したネットで排他的、愛国的な主張を発信している」と指摘する。
ネット上を無数に飛び交う愛国的、排外的な言葉が、きょうも増殖を続けている。
個人の発信に、万単位の人が触れていく。(抜粋)
ネット右翼って何よ、といつもの突っ込みは置いておいて。
日本を恥ずかしいと思った経験は無いけどなあ。