今年の初め、九州の地方紙に奇妙な投書が載った。90歳の老人が書いたというその内容の面妖さは、小紙の読者ならすぐ気がつかれるだろうが、ちょっとご紹介しよう。
▼昭和20年秋、ところは中国・南京郊外。敗残の日本兵が引き揚げのため歩いていた姿をみた軍の幹部たちは「今こそ恨みをはらすべきだ」とのちの首相、周恩来に機銃掃射の許可を求めた。
▼しかし、彼は「日本兵も一握りの軍国主義者の哀れな犠牲者だ」とさとし、コメを一升ずつ配ったという。老人は、「戦争の惨苦を体験していたならば、A級戦犯をまつる靖国神社に参拝しないであろう」と締めくくっている。
▼よくできた美談ではある。だが、この年の秋、周恩来は国民党との和平協定交渉のため南京から遠く離れた重慶で過ごした。しかも当時、中国中南部の多くの地域は国民党の勢力下にあった。南京郊外で司令官でもない周恩来と将軍たちがそんな会話をかわせるはずがないのである。
▼ご老人の思い過ごしを責めるつもりはないが、ちょっとした常識があれば、おかしいと気がつく代物を先月、国会でとりあげた御仁がいる。社民党を見限って民主党入りした横光克彦代議士だ。彼は首相の靖国参拝に反対する道具に使ったのだが、歴史認識どころか基礎的な歴史知識すら怪しい。
▼問題は、こうした無知な発言が議事録に残り、「非道な日本・寛大な中国共産党」という歴史認識の刷り込みに一役買っていることだ。現に靖国神社への参拝自体が軍国主義を賛美する行為だと、勘違いしている人が少なくない。折しも民主党の小沢一郎代表が訪中し、胡錦濤国家主席と会談するという。「小泉憎し」のあまり、政局より大事な歴史認識を過たぬようお願いしたい。
http://www.sankei.co.jp/news/column.htm
ピンポイント攻撃ですねえ。
問題の発言はコレ
これは福岡県の大刀洗町の平田清人さんという九十歳の農家の方が西日本新聞にことしの一月十四日に投書した文章でございます。一分ぐらいですので、ちょっとお許しいただきたいと思います。
一九四五年秋。のちの中国首相、周恩来司令官は軍の最高幹部を引率、南京郊外の台地にいた。遠くに、武装解除された多くの日本兵が祖国への引き揚げ港に向かって歩いていた。これを見ていた将軍たちは、いっせいに周司令官に対し「今こそ一千万人もの同胞を殺害した日本兵に対しうらみを晴らすべきだ。命令一下、機銃で全滅させる」と周氏の決断を迫った。
ところが氏は「彼ら日本臣民もまた一握りの軍国主義者の哀れな犠牲者だ。戦火から解放され、やっと祖国に帰る彼らには食糧がないと聞く。軍庫を開いて彼らを救助せよ」と日本兵一人に米一升ずつ配布したという。
とあって、そしてこの平田さんは、
一握りの軍国主義者のため敵味方、無数の人民が塗炭の苦しみをなめたが、体験者は日ごとに死亡して残りわずか。
小泉首相はあえて靖国神社に参拝しているが、もし、彼が私たちと同じ年配で、戦争の惨苦を体験していたならば、戦争を指導、強行したA級戦犯をまつる靖国神社に参拝はしないであろう。
こういう意見を述べられている。この方に私は了解を得て、きょう読ませていただきました。今、九十歳で、朝晩散歩しながら、時間を見ては田畑で仕事して、大変お元気でいらっしゃるそうです。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/015816420060526004.htm
本人に了解を得た時に、作り話でないかどうかちゃんと確かめたのかな?