韓国、間違った「日本たたき」
4月25日付のパリ発行の国際紙、インターナショナル・ヘラルド・トリビューンは≪アジアの地政学にとって胡錦濤・中国国家主席の訪米よりももっと重要なできごとが発生した≫と指摘した。
竹島問題である。日本の竹島近海での海洋調査計画発表に端を発した今回の対立は、谷内正太郎外務事務次官が訪韓しての交渉でひとまず収まった。だが、盧武鉉大統領は直後、国民向けの特別談話を発表、「静かな外交はもう終わりだ」と日本を非難した。
その激しさゆえ、特別談話の方が、海洋調査をめぐる本件よりも国際的な注目を集めたのは皮肉だった。今月31日に予定される統一地方選での劣勢巻き返しを図ろうとしているのではないのか、と辛辣な目が向けられた。
米誌、タイム(8日号)はこう分析する。≪紛争噴出の一つの原因は、盧大統領が相当の政治的圧力を感じていることにある。…このリベラルな大統領は、対日姿勢が弱腰だと自国民に思われてきた。「大統領は(対日姿勢を)強める必要があった」と専門家は言う。「国民は大統領から“露骨な”言葉を求めていたのだ」≫
日本からみれば、盧氏が弱腰だったかどうかには異論もあろうが、4月26日付のインターナショナル・ヘラルド・トリビューンも同様の分析をしている。
≪(今回の対立で)韓国政府が日本に譲歩し過ぎ、領有権主張を国際的に宣伝する機会を日本に与えてしまった、と多くの韓国人が非難した。この批判は5月末の選挙の前に起きた。…植民地支配への深い憎悪のため、韓国人は日本に対して強い外交姿勢で臨む指導者の下に結集する傾向が強い≫
4月28日付米紙、エイジアン・ウォールストリート・ジャーナルは踏み込んで盧政権批判をあらわにした。≪盧大統領は、独島(竹島の韓国名)をめぐり外交上の宣戦布告をした。経済的、文化的交流は日本が譲歩しない限り無意味だ、と彼は宣言した。ということは、例えば二国間の自由貿易協定の協議などは不毛な岩礁より低く位置付けられたわけだ≫と特別談話に肩をすくめたうえで、こう言う。≪とりわけばかばかしいのは、島を支配しているのが韓国の方だという点だ≫
だが、報道を通じて韓国内の空気をうかがうと、日本たたきに血道を上げる空気は変わっていない。そして、≪日本は盧大統領の非難に当初衝撃を受け、続いて理由を究明しようとし、そして無関心に終わった≫(タイム誌)。「不毛」な構図は、いつまで続くのだろうか。<後略> (松尾理也)
▽ソース:産経新聞 2006年5月30日付 3面
>日本は盧大統領の非難に当初衝撃を受け、続いて理由を究明しようとし、そして無関心に終わった
飽きっぽくてすいません。