辛淑玉(シン・スゴ)さんの愛称は「せっちゃん」。在日朝鮮人三世で日本名は新山節子。だから「せっちゃん」。人材育成コンサルタント。万博パビリオンの運営や人材育成などの傍ら、明治大学客員教授、神奈川県人権啓発推進会議委員などを務め、講演・研修で国内外を忙しく駆け回る
▼その半生を振り返った本が出た。「せっちゃんのごちそう」(NHK出版)。極貧だった。米びつは空、床に落ちた米を拾い集める。着たきりすずめで、スーパーの試食品をあさる日々。絶えず差別がつきまとい、いいなずけは自ら命を絶つ。何ともすさまじい過去を、これまた何ともカラリとしたタッチでつづっている
▼辛さんは在日を「奴隷」と言う。社会から差別され、国籍がないために公的サービスを受けられず、その結果貧しい状況に追いやられているのに、貧しいために差別を受ける。自分で自らの環境を変えられない存在だから。「長い奴隷生活だった」
▼ それでも辛さんの夢はもう一度「在日朝鮮人」として生まれること。支配者の心根が透けて見え、社会を見る目が磨かれる。加害者にならないための道を見つけられ、愛と良心にあふれた多くの人に巡り会える。何と誇らしい生き方なんだ―と
▼横田めぐみさんのことが頭をよぎる。拉致で幸せな日を断ち切られ、見も知らぬ地での抑圧された日々。自らの手で環境を変えられるはずもなく、周りに愛と良心にあふれた人はいない
▼ブッシュ大統領の力を借りてでも、どんな手を使っても無事に日本に帰ってほしい。帰国し肉親と会うことだけを願う彼女に「もう一度生まれるなら」の問いはあまりにも酷だから。(瑛)
http://www.sanin-chuo.co.jp/column/modules/news/article.php?storyid=580909034&from=top
「朝鮮人」ではなく、「在日朝鮮人」に生まれ変わりたいと思う事が日本に対する甘えだと気がつけ。
大体、半島の同胞の方がもっと酷い生活してるだろうが。