民主内にも「懐疑論」 振り込み指示メール
民主党が追及したライブドア側から武部勤自民党幹事長の二男への金銭振り込み疑惑で20日、ライブドア前社長の堀江貴文被告が出したとされる「振り込み指示メール」について、党内でも「必ずしも本物とは言い切れないのでは」(ベテラン議員)との懐疑論が広がり始めた。
与党側が「証拠を示すべきだ」と迫る中、20日の衆院予算委でも信ぴょう性を裏付ける新たな資料を提示できなかったためだ。情報提供者の安全確保を理由に「情報が一部幹部に限定されている」(若手)ことも党内の懸念に拍車をかけている。
前原誠司代表は同日の津市での記者会見でも「信ぴょう性は高い」と繰り返したが、官邸サイドは22日の党首討論に向けて「小泉純一郎首相にも質問権がある」(首相周辺)と攻勢を強める構え。民主党が局面打開へ「二の矢」を放てなければ、前原氏の責任論も浮上しかねない情勢となってきた。
「やっているに違いない」という世間の空気に乗っただけで、怪文書と変わらないもんなあ。
この件に関しては、産経も朝日も意見が一致しているようです。
メール疑惑 民主党の信用が問われる
これでは余りに肩すかしだ。多くの人がそう感じたに違いない。ライブドア前社長の堀江貴文被告から、自民党の武部勤幹事長周辺に巨額の資金提供があったのではないか。国会でそう指摘した民主党の追及のことである。
火をつけたのは永田寿康衆院議員だ。一昨日の衆院予算委員会で爆弾発言をした。昨夏の総選挙の直前、堀江被告が武部氏の次男あてに3千万円を選挙コンサルティング費の名目で振り込むよう、社内メールで指示していた――。
もし事実なら、武部氏が総選挙で堀江被告を「わが息子」とまで持ち上げて支援した裏に、実の息子への巨額の資金提供があったことになる。武部氏の責任のみならず、党総裁である小泉首相の責任も問われる事態は避けられない。
それだけに、自民党の対応は素早かった。次男と会社の銀行口座と通帳を調べたうえで、3千万円の入金履歴もライブドアからの振り込み入金もなかったと発表した。一方、東京地検は「メールの存在は全く把握していない」とコメントし、堀江被告も接見した弁護士にメールを送ったことや送金の事実を否定した。
これだけの重大疑惑を公の場で指摘したのだから、民主党もこうした自民党側の対応は覚悟しているのが当然だろう。永田氏が再び質問に立ったきのうの衆院予算委で、どんな「二の矢」が出るのか。多くの人が注目した。
だが、まったくの期待はずれに終わった。「情報提供者を守るため」とメールそのものを示さないことは私たちも理解できる。夜になってコピーを公表したが、このメールが本物である証拠は示せなかった。
政府・与党に疑惑があればただし、責任を追及するのは野党の大切な役割だ。自由な言論を保障するためにこそ、憲法は議員が国会で行った発言について国会外で責任を問われないと定めている。
だが仮に、永田氏の指摘が小泉首相が繰り返し揶揄(やゆ)するように「ガセネタ」であったとすれば、武部氏の名誉を不確かな根拠で傷つけたことになる。
もしそうなら、永田氏の信用が失墜するだけでは済まない。「なかなか確度の高い情報だ」と追及を後押しした前原代表はじめ民主党そのものが国民の信用を失い、その能力が厳しく問われる。
ライブドア事件をめぐっては、民主党の脇の甘さが印象づけられる場面がほかにもあった。鳩山幹事長が「投資事業組合への自民党議員の関与が濃厚だ」と発言したが、その根拠を示せていない。
今回のメール疑惑は、まだわからないことが少なくない。ただ、現時点では追及した民主党の方に世論の厳しい視線が向けられている。信頼できる資料があるのならきちんと示すべきだ。
政権奪取を目指して政府・与党を追及するのはいい。だが、有権者が眉につばをつけて見ざるを得ないようなあやふやな議論では元も子もない。民主党は脇を締めて、出直す必要がある。
http://www.asahi.com/paper/editorial20060218.html
黒塗りと聞いて教科書を思い出すのは、もう年配の方だけになった。終戦直後の昭和二十年九月、子供たちは先生の指示で教科書の文章を何カ所も、墨で黒々と塗りつぶさせられた。文部省の通達で「軍国主義」と見なされる部分を消したのだ。
▼敗戦国の子供たちには何とも切ない作業だった。それはともかく、こちらの方の黒塗りは一体何を隠そうとしているのだろうか。ライブドアの堀江前社長が武部自民党幹事長の二男への送金を指示したという疑惑をめぐって、民主党が公表したメールの写しである。
▼「メールの存在を証明するため」という鳴り物入りだった。だが肝心の送信者や受信者など九カ所も黒く塗りつぶされていた。しかも、その一部は民主党に渡る前から黒塗りされていたという。これでは疑惑を実証するどころか、メールの真贋(しんがん)をめぐる別の疑惑を生んでしまう。
▼この問題の真相はまだ藪の中だ。第三者には何とも断定はできない。だが国会での対応を見る限り民主党はおかしい。自分の方から疑惑を提示していながら「証拠」を示そうとはしない。そのうえ「否定するのなら政府がそれを証明しろ」はないだろう。
▼永田町的解説によれば、民主党には焦りがあったという。ライブドアや耐震偽装問題で政府・与党を追い込む決定的材料に欠けていたから、今回の疑惑に飛びついたのだと。だが、新生民主党は「敵失」には頼らず、政策で堂々と渡り合おうとしてきたのではなかったのか。
▼事件や疑惑は司直の手に任せておけばいい、というのではないが、国会にはほかにやるべき仕事も多い。ライブドア問題も、抜本的再発防止を議論すべきだ。そのためにも民主党は一刻も早く、黒塗りではない「立証」をすべきだ。
http://www.sankei.co.jp/news/060219/morning/column.htm
ZAKZAKはもっと言いたい放題
堀江送金メール、民主疑惑口座提示いつ?
名前の表記など不自然な点の指摘相次ぐ
ライブドア前社長の堀江貴文被告(33)から自民党の武部勤幹事長の二男への3000万円提供疑惑は、証拠とされるメールの信憑(しんぴょう)性をめぐり自民、民主両党がお互いをののしりあう全面対決に突入した。結果次第で、いずれかの党幹部のクビが飛ぶのは間違いないだけに、民主党が「隠し口座」をいつ提示するかが注目される。
「ライブドア内のシステムにのっとって(送信されて)いるもので、信頼性は高いとの報告を受けている。金融機関に関する情報はある」
民主党ライブドア問題調査追及チーム会長の桜井充参院議員は20日朝のTBS番組「みのもんた朝ズバッ!」などで、改めてメールの信憑性の高さを強調した。
前原誠司代表も19日のフジテレビの「報道2001」で、「金融機関に関する情報も得ている」と断言するなど、民主党側はメール情報に自信を強めており、口座開示と国政調査権の発動を絡めて追及していく方針。
ただ、民主党幹部がこうした強気発言を続ける一方、これを裏付ける新証拠を一切出さないことから、民主党が公表したメールについて、不自然な点が多く指摘され始めた。
まずは堀江被告の署名。民放テレビなどによると、メールでは「堀江」とだけなっているが、通常は「Horie Takafumi」とローマ字表記としていたという。メールで宮内亮治被告(38)を「宮内」と表記している点についても、堀江被告は宮内被告のことを「宮内さん」と呼んでいたという。
さらに、「中国の対日工作活動説」まで浮上。ネット上では疑惑メールにある「堀江」の「堀」の土へんが黒塗りされている理由は、本当は「山へん」で中国語表記の「崛江」となっているためというのだ。
これに対し、「疑惑メールはガセネタだ」と主張する自民党は、民主党の要求する国政調査権の発動には応じない構え。身内の援護射撃を受け、武部幹事長は週末は地元・北海道の会合で「故郷はいいね。真実は一つ。みんなわかってくれている」とご機嫌だが、「民主党が強気の姿勢を崩さないのは根拠があるからかもしれない」と一抹の不安を見せる与党関係者も。
一方、「メール爆弾」を投下したキーマンである民主党の永田寿康氏は週末から雲隠れ。地元での国政報告会を直前にドタキャンしたほか、20日朝のTBS番組「みのもんた朝ズバッ!」も番組の数時間前に出演拒否してきたという。
疑惑メールをめぐっては、自民、民主両党が互いに懲罰動議を提出しており、20日の衆院議院運営委員会理事会は動議の取り扱いを協議する。
22日には今国会初の党首討論が予定されており、「頂上決戦」で前原代表が小泉首相に向けてどういった二の矢を放つかに注目が集まっている。
http://www.zakzak.co.jp/top/2006_02/t2006022002.html
掘江説なら見かけたな…