大鵬証券に破産宣告 業界初 「経営危険」も20社以上
中国の証券業界では草分け的存在の大手証券会社、大鵬証券が広東省深セン市の中級法院(高等裁判所に相当)から破産宣告を受けた。中国の証券会社の破産としては初めて。昨年の証券会社全体の売上額も前年比24・41%減と深刻な業績不振を記録、二十社以上が経営上「危険な状態」と位置づけられるなど、株式市況の活性化対策が急務との声が一段と強まっている。(相馬勝)
中国の英字紙「チャイナ・デーリー」などによると、大鵬証券は一九九三年十月、資本金五億元(約七十億円)でスタートしたが、増資により十五億元(約二百十億円)に拡大。二〇〇二年ごろまでは業績が好調だったが、〇四年上期(一-六月)に一億二千万元(約十六億八千万円)の損失を計上した。一昨年来の “証券不況”の影響をもろに受けたものとみられる。
資金繰りが苦しくなった同証券では、顧客の資金を流用した事実が発覚。流用総額は八億元(約七十二億円)に上るとも伝えられている。
■負債額842億円
事態を重くみた中国証券監督管理委員会では〇五年一月、大鵬証券の証券業務資格の取り消し処分を決定した。この時点で、大鵬証券の資産総額は約三十二億三千五百七十二万元(約四百五十三億円)。負債総額は約六十億千四百二十五万元(約八百四十二億円)で、約二十七億七千八百五十三万元(約三百八十九億円)の債務超過の状態だった。
深セン中級法院が破産宣言を出したことについて、「大鵬証券が私営企業であり、多くの負債を抱えて、今後多くの債務者との調停は事実不可能と中級法院がみたようだ」と証券関係者は指摘する。
経営は昨年の段階で、長江証券が引き継いでおり、全従業員及び二十四カ所の支店も引き受けていることから、大きな混乱は起きていない。
この大鵬証券ばかりでなく、中国の証券会社は一昨年から表面化してきた“証券不況”から、必ずしも経営状態は芳しくない。
中国証券業監督管理委員会によると、昨年の中国の証券会社による売上総額は前年比24・41%減の二百二十七億八千万元(約三千百八十九億二千万円)。A株取り扱い業務による売上額はこのうちの81・8%を占める百八十六億三千三百万元(約二千六百八億六千二百万円)だった。
会社別の売り上げランキングの上位五位は十四億五千三百万元(約二百三億四千二百万円)の国泰君安証券、十四億三千百万元の中国銀河証券(約二百億三千四百万円)、十億四千九百万元の申銀万国証券(約百四十六億八千六百万円)、八億三千六百万元の海通証券(約百十七億四百万円)、七億九千万元の国信証券(約百十億六千万円)となっている。
各証券会社累計で昨年の月別の売上額が最も多かったのは八月の三十一億千七百万元(約四百三十六億三千八百万円)、最も少なかったのは五月で十億七百万元(約百四十億九千八百万円)だった。
■申請規則なし
しかし、営業収益が多いのは、これら一部の証券会社で、中国の証券会社百三十社のうち、少なくとも二十社以上が、同委員会により「リスクが高く、監視が必要」とランクづけられているといわれる。
今後も倒産する証券が出る可能性は少なくないとみられているが、証券会社の破産申請規則はこれまでのところ中国にはなく、大鵬証券のケースが、今後の典型事例になる可能性があると伝えられる。
http://www.business-i.jp/news/china-page/news/200601310009a.nwc
中国の不良債権は日本のバブル崩壊とは桁違いに多いからねえ。
このあとぼろぼろいく予感。