[対韓相殺関税]「“打たれっぱなし”から転じる時だ」
世界共通の貿易ルールに沿って不公正な輸出攻勢に対抗措置をとるのは当然だろう。
韓国の大手半導体メーカー、ハイニックスのDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)に、政府が日本として初の相殺関税を発動した。
相殺関税は、低利融資や補助金など相手国の優遇措置を受けた製品の輸出で、国内産業が損害を被った場合、優遇措置を相殺するために課すことができる特別関税だ。反ダンピング(不当廉売)課税などとともに、世界貿易機関(WTO)の協定で認められている。
中国、韓国などは、政府が企業を支援して日本市場に攻勢を強める一方、反ダンピング課税などで、合法的に日本製品の自国市場進出を抑える動きを活発化させている。昨年まで2年間だけでも、両国合わせて17件の措置を日本製品に対し発動済みだ。
対して、日本は過去10年で3件に過ぎない。政府、企業ともに対抗措置を立案する人材や態勢が不十分なこともあり、取り組みに消極的だった。だが、受け身の姿勢を続けるわけにはいくまい。今回の発動を機に、攻勢に転じる時だ。
韓国政府は、日本の業界の主張をそのまま受けた不合理な措置として、WTOに提訴する方針という。米国、EU(欧州連合)は、2003年夏に、同じ製品について相殺関税を発動した。韓国政府はWTO提訴したが、昨年、協定違反に当たらない、として退けられている。
敗北必至の提訴を繰り返すよりも、優遇措置を撤回するのが筋だろう。
日本政府によると、ハイニックスは01年から、官民金融機関を通した新規融資や返済免除など韓国政府のてこ入れを受け、03年度まで3年間に安値販売でDRAMの対日輸出を3倍にした。
日本国内の平均価格は4割強下落し、国内メーカーは赤字を続け、従業員の16%削減を余儀なくされた。日本国内のDRAMの年間売り上げは約3500億円で、その5割を、サムスン、ハイニックスの韓国2社で占めるに至っている。
半導体を含めてIT(情報技術)関連の市場の争奪戦は激しく、しかも変化が速い。だが今回は、メーカーの申請、政府の調査開始から発動決定まで1年半もかかった。調査期間の短縮、あるいは調査の途中でも、違反が濃厚と判断された場合に暫定発動する工夫も必要だ。
相殺関税で同社の韓国製品の輸入が抑えられても、米国や中国の同社工場の製品が入って来れば防ぎようがない。技術開発や設備投資の促進で競争力を高める不断の努力も、怠ってはなるまい。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20060127ig91.htm
どうして日本政府は国内より国外の利益を優先するんでしょうね?