インターネット検索大手のグーグルが、ついにネット人口一億人の大市場の魅力に抗し切れなかった。すでにヤフー、マイクロソフトは検閲の協力と引き換えに中国で商売している。ひとり当局に抵抗していたはずが、「グーグルよお前もか」なのだ。
▼中国内では「台湾独立」「ダライ・ラマ」「天安門事件」「法輪功」は検索しても出てこない。終戦直後の日本にあった「墨塗り教科書」のようだ。進駐軍に都合の悪い個所は塗りつぶされた。ところが、中国のネット伏せ字は尋常ではない。ざっと一千語を下らないというから驚くばかり。
▼米国の経済学者はかつて「巨大市場が世界の貿易ルールを決める」といった。このとき、彼の念頭にあったのは欧州市場だ。でも、高名な学者とはいえ見通しを誤る。いま、世界の悪夢は中国が国際ルールを決めることである。
▼中国のネット管理は「独裁の要」なのだという。有害サイトの密告が奨励され、ブログも登録制だ。誰かが反体制を示唆しようものなら当局に拘束される。すでに、ネット言論によって六十人以上がお縄になったというからいやな世界だ。
▼出版物はもちろんだ。最近も、義和団事件に関する中山大教授の論文掲載で中国の週刊紙「冰点周刊」が停刊になった。教授は児童を含む外国人二百三十一人を殺害した残虐行為の記述が中国の教科書に出ていないと指摘した。日本の教科書を「歴史歪曲(わいきょく)」と批判する資格はなかろうとのもっともな主張だ。
▼ところが、検閲上手の手から水が漏れた。同紙編集幹部の名で中国共産党を「専制で横暴」とする抗議文がネットに流れた。中国の検閲はモグラたたき状態だ。たとえグーグルを抑えても、すべてを伏せ字にできるはずもない。
http://www.sankei.co.jp/news/060128/morning/column.htm
中国で衛星放送を見ていたら、台湾関係のニュースが砂嵐になったのは笑った(w