ヒトES細胞すべてねつ造、ソウル大が最終調査結果
【ソウル=中村勇一郎】韓国の黄禹錫(ファンウソク)ソウル大教授の論文ねつ造問題で、同大調査委員会は10日、最終調査結果を発表、世界で初めてヒトクローン胚(はい)から胚性幹細胞(ES細胞)を作製したと発表した2004年2月の米科学誌「サイエンス」論文についても「ねつ造」と断定した。
難病治療の切り札として世界の注目を集めたES細胞は一つも作製されていなかったことになり、ヒトクローン胚研究が根本から揺るがされる結果となった。
04年論文では242個の卵子を使い、ES細胞をひとつ作ったとしたが、調査委は「実際はES細胞ではなかった」と結論づけた。クローン技術ではなく、生殖細胞に電気ショックを与えることなどで分裂させたものだったという。論文のデータや写真はねつ造されたものだったという。
調査委は、卵子提供者とは別人の患者組織からES細胞11株も初めて作製したと発表した昨年5月の「サイエンス」誌論文について「ES細胞は存在しなかった」と判定しており、ES細胞は一つも存在が確認されていない。
ES細胞を作製する技術全般については、前段階の体細胞の核移植技術と胚盤胞段階まで成長させる技術はあったが、培養して最終的にES細胞にする技術については「なかった」と判断した。
昨年8月に英科学誌「ネイチャー」に発表されたクローン犬については、DNA分析の結果、クローン技術によって作製された「本物」と判定した。
調査委は、研究データの任意提出を受けて分析する一方、黄教授チームの研究員ら約60人から事情聴取を行っていた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060110-00000003-yom-soci
しかし、犬だけは守ったか?
【論文ねつ造】調査委最終報告発表「源泉技術なし」クローン犬「スナッピー」は本物
ソウル大学調査委員会が黄禹錫(ファン・ウソク)教授グループの2004年に掲載されたサイエンスの論文も2005年の論文のようにねつ造されたもので、黄教授の「幹細胞源泉技術」も独創性を認めることは難しいという最終結論を下した。
しかしクローン犬「スナッピー」に関しては、体細胞を提供した犬「タイ」の体細胞からクローンされたものだという事実を公式確認した。
黄禹錫教授のES細胞論文のねつ造疑惑を調査したソウル大調査委員会は10日午前11時、記者会見を開き、調査結果の最終報告を行った。
ソウル大調査委員会は、黄教授研究グループが人間の卵子の胚盤胞形成に成功したという点は評価に値するが、独自的な技術として評価することは難しいという結論を下した。
また、黄教授研究グループは、2002年11月から昨年11月までの3年間に、4の病院129名から、2061個の卵子の提供を受けていたことがわかった。
調査委員会は「2004年と2005年の論文でそれぞれ幾つの卵子が使用されたのかは明確ではないが、少なくとも2005年の論文では273個が使用された」とした。
2004年の論文の卵子提供と関連、黄教授は女性研究員らの卵子提供意思を承認し、2003年5月、黄教授研究グループが卵子寄贈と関連した同意書の署名を受け取ったという事実も明らかになった。
調査委員会は黄教授研究グループの技術に関しては「核移植による胚盤胞形成に成功したという点は評価に値するが、これを幹細胞株として確立させたという根拠はなく、これを技術として認めることは難しい」と評価した。
調査委は、核が移植された卵子を利用し動物を複製した技術はイヌの複製に成功したことを考慮すると、国際的な競争力があるものと思われるが、卵子をつまみ出して核を除去する方法は独創的な技術として認めるのは困難だと説明した。
胚盤胞の形成について、調査委は「大部分が状態のよくない胚盤胞であったが、比較的状態が良好な
胚盤胞が形成されたケースもあり、黄教授研究グループがヒトの卵子の胚盤胞形成に成功したという点は評価できる」とした。
しかし、調査委は胚盤胞についても「現在この技術をすでに保有している研究室が複数有るため、独歩的であるとは評価しがたい」との結論を下した。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/01/10/20060110000026.html
もういい加減、新しい展開が欲しい所で、次回予告が出ています。
黄教授の研究費113億のうち、使途不明が8億ウォン
【ソウル10日聯合】政府が98年度から昨年末までの間にソウル大学の黄禹錫(ファン・ウソク)教授へ純粋な研究費目的で支給した研究費が、合計113億ウォンに上ることが明らかになった。これは科学技術部が最近国会に提出した資料によるもの。
このうち、約84億ウォンが使われたと把握されている。内訳をみると、スーパー乳牛クローンの生産(98年9月~01年8月)に19億4000万ウォン、牛海綿状脳症(BSE)に耐性を持つ牛の開発(01年12月~04年11月)に43億ウォン、臓器移植用クローン豚(03年6月~05年3月)に21億9800万ウォンなど。
科学技術部は「12億4400万ウォンは外部人件費として使用された。直接経費のうち、旅費や技術情報活動費といった使用先が不透明な項目の金額は8億2000万ウォンに達する」と説明した。
http://japanese.yna.co.kr/service/article_view.asp?News_id=062006011002500&FirstCd=03