<ES細胞ねつ造>全面支援の韓国政府は窮地に
【ソウル堀信一郎】ソウル大の黄禹錫(ファンウソク)教授の論文が、ねつ造だったと発表されたことで、黄教授の研究を国家プロジェクトとして全面支援してきた韓国政府は窮地に立たされた。研究過程でのミスが青瓦台(大統領官邸)に報告されたにもかかわらず、適切な対処をしなかったことも問題視されており、20%台で低迷を続ける盧武鉉(ノムヒョン)大統領の支持率にも影響を与えそうだ。
青瓦台報道官は23日「今回の中間結果を尊重し、最終結果を待つ」との短いコメントを発表した。今後については「科学技術省で検討し、対策を立てる」とだけ述べ、具体的な内容には言及しなかった。
疑惑発覚後の青瓦台の対応が問題視されているのは、黄教授チームが今年1月、「胚(はい)性幹細胞(ES細胞)がカビで汚染され死滅した」と朴基栄(パクキヨン)青瓦台科学技術補佐官に報告したが、補佐官が科学技術省に報告しなかったことだ。
この「カビ汚染」を調査すれば論文ねつ造を未然に防げたという指摘があるが、同省は適切な対応をしておらず、青瓦台も「専門家の検証を待って対処する」という態度で、緊急性を認識していなかった。
韓国政府は黄教授に対して、これまで総額300億ウオン(約34億円)もの予算を認めている。これは特定プロジェクトでは最大の財政支援だ。このため市民団体などが「政府として監視の目が甘くなっていたのでは」と指摘していた。結局、科学技術省は23日、同省が指定した「最高科学者1号」である黄教授への研究費支援を全面的に見直す方針を決めた。
青瓦台としては、最終調査結果が出るまでは公式見解は発表しない方針だが、野党ハンナラ党は「今回の事態に青瓦台幹部が絡んでいる」と強調、「調査によって青瓦台の関与を明らかにすべきだ」と主張している。
韓国政界は来春、統一地方選を控えており、国会議員補欠選挙で2連敗した与党・開かれたウリ党は雪辱を期している。統一地方選は07年の次期大統領選の行方を占う重要選挙と位置づけられ、青瓦台幹部も続々と立候補する予定で、盧大統領にとっては、来年最大の勝負どころになる。
一方のハンナラ党は国家的スキャンダルを材料に盧大統領やウリ党への攻撃を強める構えだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051223-00000025-mai-int
これも予想された展開ですが、とうとう政治問題にも発展!
思わず記者も涙ぐんでいます(w