米韓共同のクローン胚研究、韓国側倫理違反に米側反発
【ワシントン=笹沢教一】世界初の人クローン胚(はい)を使った胚性幹細胞(ES細胞)作りに成功した韓国ソウル大が、生命倫理に反する形で同大研究室の女子学生の卵子を用いて実験していた疑惑が浮上し、同大が米国に開設する初のES細胞バンクに協力を表明していた機関や研究者が次々と協力を取りやめる事態に発展している。
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騒動のきっかけは、同大のクローン胚に使われた卵子を、チーム内での立場が弱い女子学生に提供させた疑いが発覚したこと。英科学誌ネイチャーが告発し、「インフォームドコンセント」のあり方に疑問を投げかけた。
AP通信によると、14日には同バンクが開設されるカリフォルニア州の不妊治療機関が「ソウル大と一切の関係を絶つ」と明かした。この騒動では、米国の民間医療財団がバンクへの補助金拠出を見合わせたほか、カリフォルニア大やスタンフォード大などが、同バンクへの協力を要請されたが、断ったといわれている。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20051115i306.htm
[解説]揺れるソウル大ES細胞研究
卵子提供巡る疑惑 韓国側に説明責任
胚(はい)性幹細胞(ES細胞)研究で世界をリードする韓国ソウル大のチームが、卵子提供をめぐる疑惑で揺れている。(ワシントン支局・笹沢教一)
京都大で15日に始まったES細胞の国際シンポジウム。世界で初めて人のクローン胚からES細胞を作ったソウル大のファン・ウソク教授が参加するはずが、開催直前に突然、欠席になった。ファン教授は、その研究倫理をめぐり、疑惑の渦中にあったのだ。
様々な臓器・組織に育つES細胞の中でも、ファン教授が研究しているクローンES細胞は、患者本人の遺伝情報を持つため、拒絶反応のない究極の臓器移植が実現すると、特に期待が高い。
生命倫理の観点で慎重になった日本や米国を横目に、ファン教授は成果を上げた。先月には米英の科学者の協力で世界初のES細胞バンクを設立、この分野をけん引する存在になろうとしていた。
だが、バンク組織の代表に就任する予定だった米ピッツバーグ大のジェラルド・シャッテン教授は今月中旬、ファン教授との協力関係を断つと表明した。AP通信によると、カリフォルニア州の不妊治療機関も関係断絶を示唆、米民間医療財団もバンクへの補助金支出を見合わせている。
問題の発端は昨年5月、英科学誌が「研究チームの女子学生が卵子を提供した」と報じたことだった。女性の身体に負担をかける卵子提供は自発的でなければならない。教授と学生という、一方の立場が弱い関係で提供があったとすると、本人の同意が適正かどうかが疑問となる。
ファン教授側は、女子学生の卵子提供自体を否定、「女子学生が英語力不足で科学誌の質問を誤解した」と釈明した。しかしシャッテン教授は今月中旬、「この問題で虚偽の事実が判明した」との声明を発表。再度釈明したファン教授は「韓国の倫理基準は満たした」と話したが、詳しい説明はなく、シャッテン教授に直接の反論はしなかった。
仮に釈明にうそがあったとすると、研究者間の信頼関係だけでなく、世界初とされる成果自体も、妥当性を根底から揺るがしかねない問題だ。中辻憲夫・京都大再生医科学研究所長は「大きな問題になってしまい科学にとっては残念なことだ」と話す。
米国では別のバンクを設立して、韓国依存をけん制する動きもあり、ブッシュ大統領がES細胞研究を厳しく規制する中、様々な政治的思惑が働いた可能性は否めない。韓国側からすればES細胞の世界戦略がつまずいた形だ。韓国は「疑惑」に対し、すみやかに説明する責任がある。
日本でも文部科学省が、クローン胚研究指針を策定中。将来、同様の疑惑を持たれることのないよう、しっかりした仕組みを作ってほしい。
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20051116ik07.htm
>クローン胚に使われた卵子を、チーム内での立場が弱い女子学生に提供させた
韓国人なら間違いなくやっている。
>ファン教授は「韓国の倫理基準は満たした」と話したが
韓国では、その辺りの倫理面はケンチャナヨだから、この程度はOKって事なんだろう。