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我が国の出版界で、かつてない現象が起こっている。出版界というよりメディア全体と言った方がいいだろう。それは、七月二十六日に発売された『マンガ嫌韓流』(晋遊舎) の大ヒットが可能な限り報道規制されていることだ。【略】<検閲>が行われていたと言っても過言ではない。皮肉にも、その報道管制が、『マンガ嫌韓流』それ自体の価値を高め、本書で描かれた反日メディアの実態を図らずも証明することになった。 一方、日本メディアと対照的だったのは韓国メディアの反応だった。【略】日韓のメディアでこれだけ扱いに差が生じたことも、逆に売上に貢献した。ネットで韓国メディアの状況が瞬時に日本でも分かる情報環境が、デジタルディバイドの上位の者にとって『マンガ嫌韓流』への関心を増幅した。韓国で大騒ぎになっているのに日本ではほとんど報じられなかったことが、逆に購読への飢餓感を生んだのだ。【略】 ネットを使いこなす層からこの本の初期の購買者となっていったのは、アマゾンのランキングが何よりもその事実を物語っている。やがて、売り上げが三十万部まで拡大したのは、既存メディアと異なった言論空間が従来の言論空間と重なり合うように現出したことを意味する。それは、新しい言論空間が、既存の言論空間を侵食し始めたということだ。【略】『マンガ嫌韓流』現象とは、このような言論空間のパラダイムシフトの過程で、必然的に現れた言論空間の革命なのである。【略】 『マンガ嫌韓流』現象がもたらした重要なモメントは、支那であれ韓国であれ、歴史認識の対立点で日本が正面から向かい合うことによってしか、新局面は開けないという事実だった。実際、『マンガ嫌韓流』の内容に具体的な反論による批判はこれまでない。 歴史事実に向かい合わなければならないのは、日本人でなく韓国人(そして中国人)なのだ。 朝鮮半島と支那大陸は、「新しい歴史教科書」程度の穏健な日本の歴史観を認めることからしか、新しい出発はできないだろう。特に韓国は日本を相対化し、客体化することで、絶対化した<日本という呪縛>から逃れることが可能になる。 十月中旬には、在韓日本人のブログを基にした『韓国人につけるクスリ』という書籍も他社から発売され、その後はネット上の伝説的コンテンツ、『コリアン・ジェノサイダー』も発売される予定だ。『マンガ嫌韓流』は、新しい言論空間からの逆襲が、いま始まったばかりだということを象徴しているに過ぎない。 ▽ソース:「月刊WiLL」2005年12月号(2005/10/26発売) 84~93ページ