仏の小学校で国歌必修に 歌詞が残忍・差別的と異論も
2005年08月30日23時27分
9月の新学期から、フランスの小学校で国歌「ラ・マルセイエーズ」が必修として教えられることになった。春に改正された教育関連法に基づく措置だが、好戦的で血なまぐさい歌詞の内容から教師の間に異議を唱える声が出ている。
教育省が新学期を前に「国歌と、国歌に関する歴史を含む共和国市民にふさわしい教育をするように」と各学校に念を押す通達を出したことから、教員の間で異論が噴き出した。
仏メディアによると、やり玉に挙がっているのが歌詞の過激さ。フランス革命を支援するマルセイユ義勇軍に歌われただけに「武器を取れ」と勇ましく、直訳すれば「のどをかききる」などの残忍な表現も多い。「けがれし血をわれらが畑に注がしめよ」の部分については人種差別的という批判がかねてあった。
このため、「丁寧に時代背景を教えないと子供は誤解する」「暴力的な歌詞を教えるよりも、出自にかかわらない平等を教える方が市民の教育にふさわしい」といった声が出た。「国歌を必修にすること自体がナショナリズムの強制」という意見もある。
これに対して賛成派から「サッカーの試合で子供たちは歌詞に慣れている」「テレビ番組の方がよほど暴力的」といった反論も出ている。
http://www.asahi.com/international/update/0830/010.html
ラ・マルセイエーズ 【訳詞】小野宮吉
1.起て祖国の子等よ栄えある日は来ぬ
ぼうぎゃくのとりでに
見よ旗は血にそみぬ
見よ旗は血にそみぬ
聞け我等が野山を
ふみにじるとどろきを
わがはらからは
けがれし手にくびられる
とれ武器を組め隊伍を
進め進め我が祖国の自由を守れ
2.彼等何するものぞおごれる地獄の犬
裏切りとさく取の手もて
わが敵はせまりきぬ
わが敵はせまりきぬ
フランス人よ何たる恥ぞ
憎しみを火ともやし
圧制をくだきて
きたえよ我がかちどき
とれ武器を組め隊伍を
進め進め我が祖国の自由を守れ
La Marseillaise
Allons enfants de la Patrie
Le jour de gloire est arrive.
Contre nous, de la tyrannie,
L'etandard sanglant est leve,
l'etandard sanglant est leve,
Entendez-vous, dans la compagnes.
Mugir ces farouches soldats
Ils viennent jusque dans nos bras
Egorger vos fils,
vos compagnes.
Aux armes citoyens!
Formez vos bataillons,
Marchons, marchons!
Qu'un sang impur
Abreuve nos sillons.
Amour sacre de la Patrie,
Conduis, soutiens nos bras vengeurs,
Liberte, liberte cherie,
Combats avec tes defenseurs;
Combats avec tes defenseurs.
Sous drapeaux, que la victoire
Acoure a tes males accents;
Que tes ennemis expirants
Voient ton triomphe et notre gloire!
Aux armes citoyens!
Formez vos bataillons,
Marchons, marchons!
Qu'un sang impur
Abreuve nos sillons.
こういう国歌を見ると、君が代は穏やかだなあと思うわけですが。