日本の海域に進入はOKですが

中国不法操業漁船との戦争　警備艇「チェミン5号」搭乗記

　「現在の時刻13時45分、大清(テチョン/島の名前)南西32マイル地点。中国漁船のEEZ（排他的経済水域）侵犯捕捉。短艇（小型高速ボート)を降り、検挙班出動準備」

　5日、現場は西海（ソヘ）の排他的経済水域(EEZ)、東13キロメートル地点の公海上だ。仁川（インチョン）海洋警察署所属警備艦チェミン5号(1500トン級)操舵室で、キム・チョンシク(46/軽船）艦長が緊迫した声で叫んだ。

　レーダーには黄色い点(中国漁船) 5~6個がEEZ基準の東経124度線を5キロメートル程越えていた。

　記者は甲板に降りて行き、救命胴衣と防護帽子を着用した。そして鎮圧棒を持った検挙班11人と共に小型ボートに乗り込んだ。

　ボートの速度はあっという間に時速60キロメートルまで上がった。ボートは波にぶつかる度に、跳ね上げられ、水面に落ちる時の衝撃はそのまま腰と脚に伝わった。「手すりを離さないでください。検挙の時は船を走らせたまま中国漁船に乗り込みます」。短艇長のキム・サンジン(37)警査(巡査部長にあたる)が語った。

　「チャーリー(無線で呼ぶときの小型ボートの呼称)、速度を上げて方向転換せよ」。母船の操舵室から絶えず指示が下る。

　「検挙する時、一瞬でも目を反らすと、いつどこから鉄パイプが飛んでくるか分かりません。銃を持っているという話もあります」。海上警察特攻隊チョ・ヨンフン(33)巡査が語った。昨年末、警察に入ったチョさんは、これまで5隻の中国漁船を検挙した。

　水平線の向こうで、黒い影がちらちらした。10分程船を走らせたが、中国漁船の行方を突き止めることは出来なかった。操舵室から「追撃中止。帰還せよ」と命令が下った。

　「追って行っても、中国漁船が他の船らの間に隠れたら、探すのは簡単ではありません」。キム警士が速力を遅らせ船首を回した。

　キム艦長は「中国漁船は高性能レーダーを設置して、私たちの警備艇の動きを監視している」とし、「先月24日、韓国海軍が中国漁夫の暴行を受けた事件があって以来、中国漁船は保身を図っている」と語った。

　夕食を終えた夜10時頃、EEZ東方20キロメートル地点でチェミン5号は速度を落とし、エンジン音を止めた。操舵室の照明も全て消した。潜伏態勢に入ったのだ。中国漁船のEEZ侵犯は、主に霧が濃い夜に発生する。韓国警備艦の追撃を楽に“撒(ま)ける”からだ。

　中国漁船200隻余りがEEZ周辺で操業していた。そのうち3、4隻がEEZを越えたのをレーダーがとらえた。「もう少し越えてこい」。皆、息を殺してレーダーを見つめた。

　東の方(韓国側)に動いた黄色い点はEEZ東方2~3キロメートル地点で止まった。そして1、2時間後、戻って行った。その後も、何度か同じような動きを繰り返した。

　こうして5時間が過ぎ、ついにジェミン5号は小型ボートを降ろすことはなかった。

　小型ボートの速度を考慮すると、最低5キロメートルはEEZを越えないと検挙できない。だが、この日中国漁船らは我われをあざ笑うかのように、わずかに越えてきては操業し、戻っていった。

　最近の検挙で、中国漁船らの抵抗はさらに激しくなっている。鉄パイプ・角材など武器を積んでいるのは序の口だ。中国漁船は捕まったら2000万~3000万ウォンの罰金を払わなければならないが、これは即破産を意味する。それでも韓国EEZを侵犯することの誘惑を振り払うことができない。

　中国水域は乱獲で魚が枯渇している。チョ・ビョンムン(47)警監は「不必要な国家間紛争を起こさないために、検挙作戦開始から最後まで全てビデオで撮影している」と語る。

　記者は2日午前仁川港を出発し、5泊6日のあいだ海上警察と共に過ごした。海上警察は減少しつつある海の資源を保護するために戦っていた。

http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/06/12/20050612000005.html

自分たちが不法操業されるのは許せないようです。