<小泉首相>バンドン会議で「反省、おわび」 異例の演説
【ジャカルタ平田崇浩】小泉純一郎首相は22日午前(日本時間同日午後)、ジャカルタで開幕したアジア・アフリカ会議50周年記念首脳会議で演説し、「わが国はかつて植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた」として「痛切なる反省と心からのおわびの気持ち」を表明した。95年の村山富市首相談話に沿った表現だが、日本の首相が国際会議で「反省とおわび」を表明するのは異例。中国と韓国が日本の歴史認識批判を強める中、政府の公式見解を明示することで国際的な理解を得る狙いがある。
小泉首相は演説で50年前にアジア・アフリカ会議が開かれて以降の日本の歩みについて「歴史の事実を謙虚に受けとめ、痛切なる反省と心からのおわびの気持ちを常に心に刻みつつ、わが国は第二次世界大戦後、一貫して、経済大国になっても軍事大国にはならず、いかなる問題も武力によらず平和的に解決するとの立場を堅持している」と平和主義の姿勢を強調。「今後とも世界の国々との信頼関係を大切にして、世界の平和と繁栄に貢献していく決意」を表明した。
演説ではまた、スマトラ沖大地震の復興支援を含む災害対策としてアジア・アフリカ地域を中心に25億ドル以上(無償資金協力15億ドル以上)の拠出を表明。日本政府の主導で第4回アフリカ開発会議(TICAD4)を08年に開くとともに、03年実績で約5億3000万ドルだったアフリカ向け政府開発援助(ODA)を無償援助・技術協力を中心に今後3年間で倍増させる方針を示した。
国連改革に関しては「9月までに安保理改革について決定を行うため協力する」と述べ、9月を期限とするアナン国連事務総長の提案を支持する考えを強調。ただ、アナン氏が安保理常任理事国入りを目指す先進国に勧告したODAの対国民総生産(GNP)比0.7%の目標については「達成に向け引き続き努力する観点から、わが国にふさわしい十分なODAの水準を確保していく」と述べた。
◇小泉首相演説要旨
【ジャカルタ平田崇浩】小泉純一郎首相がアジア・アフリカ会議50周年記念首脳会議で行った演説の要旨は次の通り。
<過去50年の歩み>50年前、バンドンに集まったアジア・アフリカ諸国の前でわが国は平和国家として国家発展に努める決意を表明したが、この志にいささかの揺るぎもない。わが国はかつて植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた。こうした歴史の事実を謙虚に受けとめ、痛切なる反省と心からのおわびの気持ちを常に心に刻みつつ、わが国は第二次世界大戦後、一貫して経済大国になっても軍事大国にはならず、いかなる問題も武力によらず平和的に解決するとの立場を堅持している。今後とも世界の国々との信頼関係を大切にして、世界の平和と繁栄に貢献していく決意であることを改めて表明する。
<将来に向けての平和的な国際協力の遂行への決意>第一に貧困との闘いや開発におけるパートナーシップの強化を重視する。ODAの対国民総生産(GNP)比0.7%目標の達成に向け引き続き努力する観点から、わが国にふさわしい十分なODAの水準を確保していく。防災・災害復興対策についてはアジア・アフリカ地域を中心として今後5年間で25億ドル以上の支援を行う。08年に第4回アフリカ開発会議(TICAD4)を開催すること、今後3年間でアフリカ向けODAを倍増し、引き続きその中心を贈与とする。アジアの若者がアフリカの青年と交流するアジア青年海外協力隊の創設を提案する。今後4年間でアフリカで1万人の人材育成の支援を行う。
第二に平和の構築が重要。中東和平推進のためのパレスチナ支援や、平和に向けダイナミックな動きを示しているアフリカを積極的に支援する。
第三に国際協調をさらに進めていく。国連、特に安保理を今日の現実を反映した組織に改革することが必要。9月までに安保理改革について決定するため協力する。
<文明間の対話>7月に世界文明フォーラムを開催する。
<結び>昨年のノーベル平和賞を受賞したケニアのマータイ女史は愛・地球博(愛知万博)の開会式で日本語の「もったいない」を引用し、資源の有効利用と環境保全の重要性を訴えた。アジアとアフリカは環境保全と持続的発展が両立する力強い社会を作り出すことが可能と信じる。
これだと謝罪のために援助をしているみたいじゃない?
で、靖国参拝はするの?しないの?
外国には謝罪して、日本人にはしないなんてことはないよね。