■日本代表、そして日本人に来てもらいたい
25日の北朝鮮対バーレーン戦の主審は、30日の主審よりもっとおかしかった。それでも一度は我慢できた。しかし、ホームであんな判定を二度続けられてはどうしようもない。選手たちも観客も、不満を持っているのだ。サッカーだけではなく、生活も。生活でイカサマをやられているのに、サッカーもやられる。それでは怒りは収まらない。北朝鮮代表はどんなときもあきらめず、戦った。だからこそ観客の怒りは審判に向いた。
試合後、客席からは物が投げ込まれ、審判はピッチ中央で動けなかった。この観客の中にサッカーを知っている人は何人いただろうか。この行動が恥だということを知っている人が何人いただろうか。私には試合の判定に本気で怒っているようにも思えなかった。本当にワールドカップの大切さを知っているとは思えないし、暴動騒ぎを起こすのなら、25日に起こすべきだ。メーンスタンドにいたため、応援席やバックスタンドの表情を見ることはできなかったが、メーンスタンドでは審判に暴言を吐きながら笑っている人もいた。
国内に引きこもり、「自分が悪くない。弱くない」と言われ続けた国民がこういう騒ぎを起こした。これを直すために、国内でも海外でも、もっと試合をしてもらいたい。ときに勝利し、ときにぶざまに負けてほしい。負けることをもっと多く経験し、国民に知らせてほしい。
この騒ぎで、北朝鮮の運営能力、警備能力を疑問視する日本人も多いと思う。もちろん運営能力は低い。入場券のチェックなどもゲートの前でするため混雑はするし、トイレだって少ない。階段を上がるのも一苦労だ。国内に入るのに携帯電話は取り上げられるし、自由に動けない。ホテルだって多くの客が来ることに慣れていない。さまざまなことに時間がかかり、イライラすると思う。
だが、6月8日は北朝鮮で、観客を入れて試合をしてもらいたい。私は、さまざまな問題があるが、中東の一部の国よりは北朝鮮の方が安全だと思っている。それに悪役がいてこそ、スポーツは面白いではないか。悪の枢軸での試合なんて興味深かろう。もちろん、絶対安全なんて言えないが、危険はどこに旅行に行くときも付きまとう。北朝鮮の一般市民は純粋だし、チンチン電車の古臭さはかっこいい。触れ合う機会があるとは思えないが、北朝鮮に来るだけで結構「革命的」だ。
そして、もし6月8日に北朝鮮に来ることがあったら、文句も言ってほしい。運営能力の低さ。ホテルの手際の悪さ。そして、試合が悪かったらそのブーイングも。そこまでしてあげる義理なんて日本人にはないかもしれないけど、最後に残った秘境だ。荒らすだけ荒らして帰ってほしい。それが北朝鮮の人たちにとっての良い経験になるし、日本の人たちにも良い経験になると思う。日本人が審判に賄賂を贈るなんて絶対にしないから、試合はスムーズに行くだろう。基本的には穏やかな人たちなのだ。
だから、絶対に安全なんて言えないけれど、日本代表と、そして日本人サポーターには北朝鮮に来てもらいたい。
<了>
黄慈権(ファン・チャゴン)
1979年、埼玉県出身。日本大卒。学生時代に毎日新聞で記事を書き、ライター活動をスタートする。卒業後、広告制作会社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。『季刊 サッカー批評』などに寄稿
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/column/200504/at00004393.html
↓の状況を見ても、穏やかな人たちだって!?
いくら何でも、その言い訳は無理があるでしょ!
北も南も同じ民族。
感情に身を任せ、騒ぐ喚く暴動を起こす。
歴史的に見て日常と言っても良いほど、珍しい光景ではない。
スポーツに国家の威信を賭けている国に、冷静さを求める方が無理。
命懸けで北朝鮮で試合をしなければならない理由はないし、命があっても拉致されるかも知れないよ。
他人の命だから、こんな無責任な発言が出来るんだよね。